Canon 回折光学素子を採用したエクステンダーに関する特許 [光学技術・レンズ設計]
キヤノンが回折光学素子を用いたエクステンダーに関する特許を出願中です。 積層型の回折光学素子を用いることで、DOレンズの欠点であったフレアの問題をクリアしています。 一挙にリニューアルされるキヤノンの望遠レンズ群と併せて購入検討したい製品になりそうですね。

patent: Extender 2.0x

patent: Extender 1.8x
特許文献、及び要約・自己解釈
- 特許公開番号 2011-123336
- 公開日 2011.6.23
- 出願日 2009.12.11
- 関連 2011-123334
- 実施例1
- f=-124.47mm
- 拡大倍率=1.95
- 実施例9
- f=-251.89mm
- 拡大倍率=1.80
- リアアタッチメントレンズ
- マスターレンズの焦点距離を長くする
- フロントコンバーターよりも小型
- 負の屈折力を有する為、像面湾曲を劣化させる
- 絞りを持たない
- 光線は、上方と下方を通過する
- 光軸外を通過することで発生する収差を補正出来ない
- 倍率分だけ色収差も拡大
- 最も物体側のレンズ群で軸上色収差を補正し、最も像側のレンズ群で倍率色収差と像面湾曲を補正するが性能不十分
- 回折光学素子(DOレンズ = Diffractive Optics)
- 例えば材料は紫外線硬化樹脂、設計次数は波長530nm
- 設計次数以外の波長で用いると回折効率が低下し、低下した分が不要光となり、フレアの要因となる
- 複数箇所に使うと透過率が低下する
- パテント技術
- 全体として正の屈折力、4群構成
- 望遠と望遠ズームに適用可能
- 最も像側のレンズ群とその次のレンズ群で分担して倍率色収差を補正
- 積層型の回折光学素子
- 可視光全域で95%以上の回折効率
2倍と1.4倍の隙間を埋める1.7倍
特許文献にある実施例は約2倍と1.8倍の2系統。 1.8倍の方を使って、F値1.5段分低下の1.7倍テレコンということなら、既存製品とバッティングしませんね。 EXTENDER EF1.4×III と EXTENDER EF2×III は発売されたばかりなのでリニューアルには早過ぎます。 それにラインナップにDOレンズしかないと購入を躊躇することもあるかと思いますが、選択肢の一つとしてDOレンズがあるなら、何も問題ありませんね。
積層型の回折光学素子
回折光学素子を採用した光学系の特許は各メーカーから出願されていますが、製品化される気配がありません。 独特のフレアの発生を恐れてのこと、調達や製造コスト等、多くの問題があるかと思います。 キヤノンは原因を特定しただけでなく、対策を施した素子の設計も出来ているようです。 新型のDOレンズを採用することで結像性能も良く小型軽量で、しかも逆光性能の高いレンズがいずれ登場するかもしれませんね。
性能
| マスターレンズ | 実施例1(1.95x) | 実施例9(1.80x) |
|---|---|---|
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特許文献にあるマスターレンズはf=299.99mm Fno=2.99です。 単体でも恐ろしく高性能ですが、テレコンバーターを付けても性能は殆ど劣化せず、部分的にはより性能が向上していますね。 組み合わせによって、収差を打ち消すのはよくあることです。 そういえばメーカー各社のWebサイトにあるMTFグラフを見ると、超望遠レンズは結像性能が突出しています。
発売の目処が立たない白レンズ
テレコンが効果を発揮するのは大口径の望遠レンズ群です。 キヤノンからは、EF300mm F2.8L IS II USM、同400mm F2.8、同500mm F4、同600mm F4が発売予定ですが、EOSシリーズ用交換レンズ発売時期見通しのご案内によると、当面は発売されないようです。 何かの問題で開発プロジェクトに遅れが生じ、追い討ちをかけるように東日本大震災といったところでしょうか。 泣きっ面に蜂とはこのことですね。
遅れの原因は、開発中なのか、それとも部品の調達がままならないのでしょうか。 前者であれば、開発現場は目も当てられないような大変な状況だと思いますが、エンジニアの方々にはユーザーの喜ぶ姿を想像して頂き奮闘してほしいですね。 後者であれば他所から部品を調達することも有り得るのでしょうか。 ニコンは、ソニーの他に、アプティナ社から撮像素子の供給を受けるという話もあります。 アプティナイメージングと言えば、CMOSでは個数ベースでも金額ベースでも上位3位に入るメーカーです。 採用の可能性があるのは、おそらくMT9H004という1600万画素のAPS-Cセンサーでしょう。
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珍しくデジカメネタ。ニコンがソニーではなく米アプティナイメージング社から一眼レフ用撮影素子の供給を受けることになるらしい。 デジカメ増産のニコン、なぜ海外部品を選んだ










震災の影響で生産が大打撃の様子ですね。。。
テレコンの1.7倍は興味ありますね~
これからのCanonの新製品に目が離せません。
・・・資金さえあれば (^^;
by レイリー (2011-06-30 09:11)
サンニッパⅡとヨンニッパⅡは8月下旬の
発売予定が決まったので楽しみです。
by こうちゃん (2011-06-30 09:59)
>対策を施した素子
これ、気になります。
by penny (2011-06-30 13:28)
震災の影響はどの分野も多少なりともあるようですが
部品調達に影響するメーカーさんは本当に大変ですね。
キヤノンはこんなに色々開発しているのに、どうして
着物に似合うカメラやレンズは作ってくれないのでしょう。
by コリンママ (2011-06-30 20:13)
DOレンズはコンパクトに出来ますよね。
径はありますが短い分持ち運びに便利?
by ナビパ (2011-06-30 20:26)
キヤノンはDOレンズをまだ諦めてないんですね。執念を感じます。
NikonがAptinaのセンサーですか・・・Pentax K-7の二の舞にならなければ良いです・・・。
by s_take (2011-06-30 20:31)
店頭で試したことしかありませんが、EF400F4DOは
焦点距離と開放F値を考えると驚異的にコンパクト
だと思いました。
EF400F4Lの登場を期待する声も聞かれますが、328の
大きさを考えると、やはりDOレンズの軽量・小型という
メリットは捨てがたいと思います。
此処はひとつCanon開発陣の執念で、従来のDOレンズに
対するネガティブ評価を吹き飛ばすようなレンズを
見せてほしいですね。
by rawmaterial (2011-06-30 22:42)
回折光学素子は色収差の除去には、圧倒的な利点があります。しかし、斜めからの入射光に対する特性が複雑そうなので、キヤノンでも扱いかねている感じですね。リアエクステンダーは光の入射角が限定されてるため、設計し易いのかもしれません。
ニコンがAptinaのCMOSセンサーを使うとしても、現在の製品ラインで使用するなら現状よりも良い画質が必要ですので、カタログ品そのままではなくかなりカスタマイズされたものでしょう。あるいは、もしかしたらニコンはD3xxxよりも安価な製品ラインを計画しているのかもしれませね。
by hi-low (2011-06-30 23:01)
> レイリー さん
新製品が遅れているのが気になりますね。
> こうちゃん さん
今度こそ無事に発売してほしいですね。
フィッシュアイズームで撮った作品も期待しております。
> penny さん
今回はテレコンの特許ですが、ここで使われる新型の積層型回折光学素子を使えば、次回は実用出来るDOレンズが出るかもですね。
> コリンママ さん
キヤノンはブームにも関わらず、二眼レフ(1950年代)や、高級コンパクト(1990年代)を作らなかったんですね。
キヤノンは多様に手を出さず、一つのシステムを充実させるタイプなのかもしれません。
> ナビパ さん
輸送なら圧倒的に有利ですよ。70-300DO位なら径もそれ程大きくないようです。
> s_take さん
DOレンズはラインナップにありますからねぇ。
普及はまだまだこれからですよ。
> rawmaterial さん
新型328も十分に軽量なのですけど、400/4.0DOは驚異的ですね。
ならばもう少し幅広く採用してほしいです。
> hi-low さん
なるほど。物体側レンズ群に回折光学素子を使うと光線の影響があるので、像側に用いることで問題を解決したという特許も以前ありました。
ニコンの生産規模を考えれば、カスタム品であっても受注に応じてくれそうですね。
by えがみ (2011-07-01 21:19)
生産工程や調達手段を根本的に崩してしまった大震災。
ピンチはチャンスで、キャノンの明るさで乗り越えてほしいですね。
by グッドバランス (2011-07-03 18:16)
> グッドバランス さん
景気後退等で一層の引き締め、地震でまたまた引き締め。
各メーカーとも生き残るのに苦労しますね。
by えがみ (2011-07-04 21:51)