Canon 製造誤差を抑えた100-400mmの特許 [光学技術・レンズ設計]
キヤノンが100-400mmや70-300mmといった望遠ズームレンズで、ガタや製造誤差による性能低下を軽減する特許を出願中です。 ガタ、アソビ、製造・組立誤差、経年劣化といった諸々の事情を踏まえて設計しているようなので、発売済みの70-300mmは勿論、発売されるかもしれない100-400mmも安心して購入出来る製品になりそうですね。

patent: EF70-300mm F4-5.6L IS USM

patent: 100-400mm F4-5.6
特許文献、及び要約・自己解釈
- 特許公開番号 2011-215218
- 公開日 2011.10.27
- 出願日 2010.3.31
- 実施例1
- 焦点距離 f=72.20 - 290.00mm
- Fno. 4.20 - 5.86
- 半画角 16.68 - 4.27°
- 像高 21.64mm
- レンズ全長 185.20 - 239.20mm
- バックフォーカス 46.74 - 57.41mm
- ズーム比 4.02x
- レンズ構成 14群19枚
- 実施例1
- 焦点距離 f=102.20 - 390.01mm
- Fno. 4.10 - 5.90
- 半画角 11.95 - 3.18°
- 像高 21.64mm
- レンズ全長 228.18 - 288.12mm
- バックフォーカス 51.23 - 69.84mm
- ズーム比 3.82x
- レンズ構成 14群19枚
- 従来技術
- 第1レンズユニットが大きく移動するズームレンズは、ガタが大きい
- 第1レンズユニットが偏心し、性能が低下する
- リアフォーカス式を採用し第1レンズユニットを簡素化することで、ガタを抑える方法もあるが、それだけでは不十分
- ガタや組立誤差があると、第1レンズユニットの像側凸面で収差変動が発生する
- キヤノンの特許
- レンズの偏心に対する性能劣化敏感度を低くする
- 第1レンズユニットで像側凹面を作用すると、像側凹面の屈折力が弱くなり、収差変動が小さくなる
- これは既知の技術だが、他の光学系も最適化することで、新たな特許に成り得る
前回の更新から少し間が空いてしまいました。
EF70-300mm F4-5.6L IS USMの最終案
70-300mmの特許は過去にも公開されていましたが、レンズ系が少し違っていました。 今回はほぼ一致するようです。 この時点で70-300mmを製品化出来る完成度になったのなら、同様の技術が投入される100-400mmの製品化も近いと考えて良いのかもしれませんね。
誤差
日常品でレンズ程、シビアな製品はないでしょう。 レンズの位置が少し動いただけで性能が大きく変わります。 分解しようものなら、個人では元に戻せません。
| 70-300mm | 100-400mm |
|---|---|
![]() |
![]() |
キヤノンの特許はこの誤差を無視出来るというもので、多少のズレがあっても、大きな問題にはならないようです。
| 70-300mm | 100-400mm |
|---|---|
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左から、球面収差、非点収差、歪曲、色収差。言わずもがなですが、抜群の性能を誇ります。
CINEMA EOS SYSTEM
2011年11月3日の発表(日本時間4日)は、シネマでしたね。 プライムレンズもラインナップされています。 値引率は不明ですが、 SchneiderのCine-Xenarが税別698,000円、 ZeissのCP.2が税込417,900円、 そしてCanonのCN-Eが税別590,000円 であることを考えると、お得なのはZeissでしょうか。
ツァイスの場合、レンズ系はスチル用のZF.2やZEと同じです。 画質に影響する違いは、9枚から14枚へ増えた絞り羽根や、 鏡筒内の内面反射対策の強化なので、キヤノンも似たようなもの(但し絞り羽根は11枚)だと思います。 凝った鏡筒の為か重いレンズに仕上がっていますが(1.0~1.4kg)、動画だけでなく、静止画撮影にも使ってみたい気がしますね。 シネマレンズは個人ではとても手が出せませんが、同じ技術が使われているコシナのZeissレンズやキヤノンの単焦点Lレンズはとてもお買い得に思えてきます。
- 過去記事
- 外部リンク











以前、カメラ趣味の仲間にアンジェニューのシネレンズを使っていた人が居ましたね。本人は気に入っていたようですが、どんな性能だったのか確認していません。読んだ本の記事だと、シネレンズは、大きな画面に投影するので、徹底して非点収差を補正してあると書いてありました。
私も50ミリに興味を持っています。T1.3と有るのでLレンズのf1.2相当と言うことになります。でも、フルサイズ画角が横で39.6度ですから、50ミリとは違うレンズなのか、単に基準の違いなのか、ちと不明なところです。
50/1.2では使われていなかった異常分散ガラスを使っているそうですので、構成は新設計でしょう。いずれ発表される構成図を見るのが楽しみです。
ツアイスの55/1.2が当時でも40万を超える価格でしたから、まじめに50/1.2を作ると、こんな価格になるのでしょうが59万は高いです。なんて言いつつEOSD1で使えるなら買っちゃおうかな。
by 良吉 (2011-11-05 08:09)
評判の良いレンズも個体差で・・・
ってことがありましたからこういう技術は助かりますね。
by でいぶさん (2011-11-05 09:54)
昔のNew FDレンズのように、MFでも構わないので、 絞り環に『A』ポジションを設けて欲しかったですね、、、って、この完全な業務用シネマ機材には無理な注文だと自分でも思います。
キヤノンの100-400/4.5-5.6L IS後継は、えがみさんがおっしゃっていたように100-400/4-5.6L ISとなりそうですね。個人的には80-400を期待しておりましたので、ちょっと残念ではありますが、過去において70-300の不具合があったことを思えば、非常に評価できる技術でしょう。
【伊達淳一のレンズが欲しいッ!】EF 70-300mm F4-5.6 IS USM
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/lens_review/2007/01/23/5404.html
by ぱんだ@風の吹くまま (2011-11-05 10:16)
レンズの枚数もこれだけ増えると最悪の組み合わせでは大きな誤差が出る可能性が有りますよね。
そういう意味では効果の有る特許なんでしょうね。
by まっちゃん (2011-11-05 16:38)
高額なレンズを買った後も安心感がありますね♪
何枚ものレンズが可動するズームレンズでは
特にうれしい技術になりそうです(^-^;
by ぱぱくま (2011-11-05 16:57)
望遠も一本買っておこうかなぁー♪
by maki (2011-11-05 19:08)
光学性能だけではなく色々な事に気を使って設計しているんですね。
70-300の評判を聞くと新しい100-400も早く出してほしいです。
業務用の製品は高いのか安いのかよく解らない世界ですね。
でも普通の人にとってはレンズに10万円以上もよく解らない世界の様です。。。
by s_take (2011-11-05 20:24)
誤差を無視するって発想が凄いです。
誤差がなくなるってことなのかな。。。難しい^^;
by ナビパ (2011-11-05 20:29)
この技術はありがたいですね!
もっとも中々手が出せないレンズでは在りますが・・・
しかしながら無理して買っても大丈夫という事にもなりますね (^^
by レイリー (2011-11-05 21:01)
性能劣化敏感度を低くする、というのが
つまり誤差を無視出来る技術でしょうか。
ますます安心のブランドになりますね。
by コリンママ (2011-11-06 00:04)
> 良吉 さん
やはりシネマレンズとなると収差の補正は桁が違いますか…。
フランスのAngenieux社のレンズは中古市場で時々見掛け、気になっています。
> 単に基準の違いなのか、ちと不明なところです。
表記の違いだと思います。
ライカ判のフィルム対角線は42.5mm(実測値)
キヤノンの50mmレンズは51.6mm(実焦点距離)
対角線を基準にすると
degrees(42.5/2/51.6)*2 = 47 deg
水平サイズを基準にすると
degrees(36/2/51.6)*2 = 39 deg
> 異常分散ガラスを使っているそうですので、構成は新設計でしょう。
情報有難うございます。確認していませんでした。
値引率は不明ですが、定価ならサンニッパより安いですし、お買い得に思えてきました。
しかし単焦点3本とも、特長の文言が同じなのでコピペミスがありはしないかと心配です。
http://cweb.canon.jp/cinema-eos/lineup/ef-cinemalens/cn-e85t15/index.html
http://cweb.canon.jp/cinema-eos/lineup/ef-cinemalens/cn-e50t15/index.html
http://cweb.canon.jp/cinema-eos/lineup/ef-cinemalens/cn-e24t15/index.html
価格の内訳はレンズ系だけではないのがネックですね。
造りの良い鏡筒、品質管理、プロサポート、etc…
ハリウッド向けの品質基準から漏れたものを、アマチュア向けに安く売ってくれないかしら。
by えがみ (2011-11-06 02:36)
> でいぶさん さん
ユーザーは個体差まで選択することが出来ませんからね。
元々性能が良くないのか、個体差なのか、腕が悪いのか、判断に困ります。
> ぱんだ@風の吹くまま さん
情報有難うございます。成る程、前例があったのですね。
>【伊達淳一のレンズが欲しいッ!】EF 70-300mm F4-5.6 IS USM
> なんと原因は、テレ端にズームすると鏡胴がググッと伸び、レンズの自重でごくわずかに前玉が下がり、画面の上下方向の像が乱れてしまう。
キヤノンがこの問題を気に掛けるようになったのも当然の流れと言えるでしょう。
CN-Eレンズの詳細は分かりませんが、公開特許によるとボディ側からの制御も可。
http://egami.blog.so-net.ne.jp/2011-10-17
ということはAポジション相当に出来るのかな…と期待してしまいます。
> まっちゃん さん
レンズを正確に研磨しなければならないことを考えると、20枚以上あるズームレンズは凄いですよね。
単焦点の愛好家が多いのも、ズームレンズのレンズ枚数の多さによって生じる弊害を、経験則で感じているからなのかもしれませんね。
> ぱぱくま さん
何十万円もするレンズなのに、僅か5年で光軸がズレました、では話になりませんよね。
是非とも力を入れてもらいたいところです。
by えがみ (2011-11-06 02:37)
> maki さん
望遠Lレンズ、どれも買って損はないですよ。
> s_take さん
コンシューマ向けだと原価の影響が大きいですが、ビジネス向けだと原価が安いにも関わらず売価が高価だったりしますよね。
ハチゴローのサブとして、新型の100-400mm、如何ですか?
> ナビパ さん
野球にたとえると、今までのやり方は、選手を鍛えて(ズレを少なくして)ホームランを出す(性能を上げる)ようなものです。
それを、球場を小さくすることで、選手を鍛えずとも(多少のズレがあっても)ホームランを出せる(性能を上げられる)ようにしたというわけです。
> レイリー さん
良い製品だと思って高価な製品を買い、個体差だった時は、怒りのぶつけようが無いですね。
いずれ廉価機種でも使われるようになるかも… 否、既に使われているかもしれませんよ。
> コリンマ さん
その通りです。
偶然によって良い絵を出すカメラやレンズでは、肝心な時に持ち出すことが出来ないですよね。
失敗の許されない要の場面では、性能よりも、品質や信頼性に優れた機材を選びますね。
by えがみ (2011-11-06 02:38)
えがみさん、
前例があったんですね。それも横でOK、縦だけズレると、、、
なんで丸いレンズでそんな不具合が起こるのか不思議ですが、内部機構の関係なのでしょうね。
シネマレンズについて、AE機能が使えれば便利だと思いますが、動画の世界では絞りの変化が最大の悪影響を及ぼすというのは5D Mark IIでさんざん経験しております(固定絞りとMFのしやすさにこだわる映画関係者は、だからこそわざわざニッコールレンズを撮影に用いるのでしょうね)ので、実装されても使うのはスチルで用いる人たちだけかも知れませんね。
それにしても、ズームレンズの片ズレ?を発見した伊達淳一には、ただただ敬意を表するばかりです。これでどれだけのキヤノンユーザーが救われることか、、、
by ぱんだ@風の吹くまま (2011-11-07 11:12)
> ぱんだ@風の吹くまま さん
そうですね。私なら、望遠ズームだから周辺画質はこんなもの、として捨て置くと思います。
むしろ本当に救われたのはキヤノンの方で、ユーザーからのフィードバックでブランド力を更に高めることに貢献したと思います。
スチルもシネマも両方やりたい人は、どうなるの、という問題が出てきますね。
スチルとムービーは同時に語れないのかもしれません。
by えがみ (2011-11-08 00:33)
ぱんだ@風の吹くままさん
まるいレンズだから、横位置でも縦位置でもイメージサークルの上端と下端の同じ部分の画質が悪化して、横位置ではそこが画角の外だから気にならず縦位置ではそこが画角に入るから目立つ、って事のようですよ。
by やち (2011-11-08 09:34)