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Nikon 35mm F1.8 の生産性を向上させる特許 [生産技術・品質検査]

ニコン35mm F1.8 の生産効率を改善する特許を出願中です。 偏心の調整機構を設けることで、偏心収差を改善出来るようです。 もしかするとAF-S DX Nikkor 35mm f/1.8Gの後期ロットでこの技術が導入されているかもしれませんね。

AF-S DX Nikkor 35mm F1.8G

patent: 35mm f/1.8

調整機構
AF-S DX Nikkor 35mm F1.8G AF-S DX Nikkor 35mm F1.8G

特許文献、及び要約・自己解釈

  • 特許公開番号 2012-42663
    • 公開日 2012.3.1
    • 出願日 2010.8.18
  • 製造における問題点
    • 偏心誤差によって性能が低下する
      • 偏心とはレンズの中心が光軸の中心から外れること
    • 加工精度とコストダウンは両立出来ない
  • ニコンの特許
    • 負正正の3群構成
      • 焦点距離 f=36.00mm
      • Fno. 1.85
      • 画角 44.1deg.
      • 像高 14.20mm
      • 全長 91.49mm
      • BF 38.49mm
      • レンズ構成 6群8枚
      • 非球面 1面1枚
    • 偏心の調整機構を持たせる
      • 第1群はシフト方向
      • 第1+2群、或いは第3群はチルト方向
製造誤差による偏心によって発生したコマ収差を改善
理想 偏心 調整後
コマ収差 コマ収差 コマ収差

中古購入より新品購入が良い理由

ニコンに限った話ではありませんが、製造ロットによる違いは少なからず存在するようです。 有名な話ではニコンスーパーインテグレーテッドコーティング(SC:Nikon Super Integrated Coating)で、ニコンは少しずつ改善を進め、全てのレンズをSC仕様に変更し終えた時点で正式に発表しました。 ユーザーは知らない内にSC仕様のレンズを購入し、その恩恵に預かっていたわけです。 中古レンズ購入時にシリアルナンバーを知りたがるユーザーが多い理由の一つですね。

逆に初期ロットの国産(made in Japan)仕様を探し求めるユーザーもいるので、人それぞれです。

コストダウンは売れ筋商品に必要

製品発売日と特許出願日からすると、35/1.8があまりにも売れ過ぎたので、慌ててコストダウンの方法を模索したって所でしょうか。 売れれば売れる程、コストダウンの効果が出てきますからね。

ニコンの特許は調整機構を設けることで、高精度に加工するコストを削減出来るというもの。 高精度な加工に必要なコストよりも、調整機構を別途追加するコストの方が安いのかもしれませんね。

この技術が35/1.8や他のレンズの生産工程で実際に使われているのか分かりませんが、レンズによっては何処かのカバーを外すことで調整用のノブが出てくるかもしれませんね。

MicroFourThirdsNikon1タグを新設

タグクラウドに焦点距離とF値を追加しました。 こうしてみると焦点距離別では 14mm 17mm 24mm 35mm 50mm 300mm、 F値別では F2.8 F4.0 F3.5-5.6 の特許出願が多いことが視覚的に分かります (発売済みレンズの特許は基本的に扱わないので必ずしも正確ではない)。 ついでにエントリの増えてきたMicroFourThirdsNikon1タグも新設しました。

  • タグは関連記事が2エントリ以上有る場合のみ付ける
  • タグに半角スペースと全角は使わない
  • タグに使う文字は、半角英数字とアンダースコア(_)、ハイフン(-)のみ

ところで私の基本方針はこの2+つですが、メーカーに敬意を表して製品名だけは例外扱いですし、 50音順の並びを考慮して 撮像素子(タグクラウドではImagerへ変更) 等の技術的単語は漢字で表記するという使い分けもしていました。 これではいかん、と少しだけ整理。 まだまだ整理の余地がありそうです。


タグ:NIKON F1.8 35mm
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コメント 4

良吉

 出たばかりの35/1.4を購入して6年間も調整不良品を使っていたことがあります。開放にすると、まだらボケが起こるのですが、開放なんて殆ど使わないため気づかずにおりました。

 ある時、お店の店員に見せるとデジカメでテストし、開放では像が崩れると言われて気がついたわけです。SCに持って行くと「落としたのでないか」と、さんざん疑われたあげく調整不良でしたと戻ってきました。

 後で問い合わせると、このレンズは、第一群のエレメント間隔、第二群の傾きを調整するのだそうです。この特許を採用した場合のニコンも、気をつけないと調整不良品を使い続けるミスが起こるかも知れませんね。

 ところで、絞るとピント移動を起こすレンズの件ですが、あることに気がつきました。実は近距離における収差の増加により起こるピントの移動にフローティングで対応する理由が、やや不明になっていたのです。

 ご承知のとおりフローティングは、近距離における像面湾曲の増加を補正するために採用される機構で、これが何でピント移動の防止に役立つのか分からなかったのですね。

 先日のテストでAFが使う絞りや撮影時の絞りの位置など、中央と周辺のピント差が大きく関わっていることが分かりました。つまり、近距離になると周辺の収差が増加してピント移動を起こすのですから、中央と周辺のピント差を埋めればよいわけです。

 これは、像面湾曲の補正と同じですから、フローティングで対応できるわけですね。但し、収差を収差で相殺するわけですから、やや副作用もあるのでしょう。良く、後ボケの崩れが言われています。

 フローティングの無い、問題のレンズは、後ボケの表現を重視していたようですから、ある程度は確信犯的な設計だったのでしょう。今は亡き西平英生が一般向きでは無いと書いていたのが価格だけでなかったことにも気づかされました。

by 良吉 (2012-05-04 12:30) 

水銀

えがみ さん、こんにちわ

コストダウンしようとするのに反するかもしれませんが、DX35/1.8Gは距離指標を付けて欲しかったですね。AFレンズに距離指標は不要かもしれませんが、やっぱり折角の単焦点ですから外観にも気を使って欲しいなぁと思います(^^)
by 水銀 (2012-05-04 14:38) 

ナビパ

人気の単焦点レンズですね。
少しでもレンズの性能アップは大歓迎です。
ニコン単焦点を少しづつで良いので揃えたいです。
by ナビパ (2012-05-04 20:58) 

えがみ

> 良吉 さん
う~む… 流石に6年も経過していると何が起こったか分かりませんから疑われるのは止むを得ないと思われます。
どのレンズも何らかの調整が必要でしょうから、生産の方も大変そうですね、一台一台調整するとなると。

リコーやシグマは性能重視で全体繰り出しを採用したとインタビューで話していますが、この辺りの事情と無関係でない気がするのですよね(GXR33mmやEX70mm)。


> 水銀 さん
ご推察通り、付けることによって得られるメリット、付けないことによって得られるメリットを天秤にかけたのだと思います。
従来の単焦点ことは異なり、ボケを求める新しい世代に向けたコンセプトだから必要性が薄いのだと思われます。


> ナビパ さん
最近のニコンはお手頃な単焦点が多いで集め易くなりましたね。
by えがみ (2012-05-06 22:42) 

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