Olympus 12-120mm F4-5.6 の特許 [光学技術・レンズ設計]
オリンパスが12-120mm F4-5.6、他数本のレンズに関する特許を出願中です。 35mm判換算24-240mm相当の高倍率ズームレンズなので、広角重視のμ4/3ユーザーには朗報ですね。 また動画に向いた仕様なので、ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ同様に電動ズームも付きそうですね。
![]() patent: 12-60mm f/4-5.6 |
![]() patent: 12-70mm f/4-5.6 |
![]() patent: 12-80mm f/4-5.6 |
![]() patent: 12-95mm f/4-5.6 |
![]() patent: 12-120mm f/4-5.6 |
![]() patent: 14-70mm f/4-5.6 |
特許文献、及び要約・自己解釈
- 特許公開番号 2012-83601
- 公開日 2012.4.26
- 出願日 2010.10.13
- 実施例
Embodiment 実施例 焦点距離 Fno 画角 MOD 構成 非球面 1 12.24-59.00 4.01-5.73 88.94-20.58 0.3 9群14枚 7面4枚 3 12.24 70.56 4.08 5.77 90.29 17.08 0.35 12群16枚 8面5枚 4 12.24 81.99 4.04 5.76 88.91 14.95 0.4 10群15枚 8面5枚 5 12.24 94.00 4.04 5.80 88.91 13.04 0.45 11群15枚 8面5枚 6 12.30 118.18 4.08 5.77 90.02 10.36 0.5 10群14枚 7面4枚 7 14.35 68.60 3.93 5.75 79.81 17.77 0.3 10群15枚 5面3枚 像高は10.82mm
- オリンパスの特許
- 正負正負正の5群ズームレンズ
- インナーズーム
- インナーフォーカス
望遠側を何処まで伸ばすか
広角側は12mmなので、各実施例の違いはズーム率と光学性能と言えます。 ズーム率は5倍、6倍、7倍、8倍、10倍があり、光学性能はズーム率を上げるにつれて低下する傾向にあるようです。
- 営業「動画用高倍率ズームを謳うからには10倍は欲しい。」
- 設計者「だめだ、性能を出せない。」
- 設計者「広角側は12mm(換算24mm)という訴求力があるから、7倍で妥協出来ないか?」
- 営業「いや、10倍は絶対必要だ。」
- 営業「広角側14mm(換算28mm)で設計するとどうなるのか?」
- 設計者「分かった。やってみよう。」
性能
| INF | MOD |
|---|---|
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上から順に、広角、中間、望遠
数が多いので本命と思われる12-120mmのみ取り上げます。 どの実施例も無限遠ではそこそこ良好な性能を示しますが、最短撮影距離における性能差が大きいようです。 8~10倍ズームだと製品化を憚るレベルでしょう。
広角側換算24mmスタートの高倍率ズームはトキナー24-200mmくらいなもので、まだまだ克服しなければならない課題が多そうです。 オリンパスは特許出願から製品発売までの期間が短いのですが、今回は長期戦になるかもしれません。
スーパームーン

APO 300mm f/4.5
300mm x (4592x3056px / 600x600px)^0.5 x 換算1.5倍 = 2809mm相当
スーパームーンの写真は皆さん、うんざりする位にあちこちで見ておられるでしょう。 複数のマウントアダプタを経由して装着、換算450mm相当+クロッピング。本来は換算180mmのレンズですから凄い拡大率です。 電磁絞りのAFレンズなので、ピントリングは操作し難いし、絞るのも一工夫必要です。 ミラーレスはレンズを選ばずに装着出来るとはいえ、何かしら制限があるので、そのマウントを普及させるには全機能使えるレンズを早急に発売する必要がありますね。 同じマイクロフォーサーズマウントでもパナソニックとオリンパスで若干差異があるので、互換性の分かり難さという足枷にならないか懸念されます。
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D5100でSigma 18-125mm/f3.8-5.6 DCを使っています。少し古いためか遠景は広角でも望遠でも分解能が足りませんが、テレマクロ的な使い方では意外に良いので、フィールドでの記録に重宝しています。
オリンパスの申請レンズは、動画撮影で使われることが多い遠距離側を重視して光学設計されているようです。オリンパスにはマクロ撮影機材の充実を期待してるのですが、どうも叶いそうにありませんね。
by hi-low (2012-05-07 13:08)
えがみさん、
やはり、光学系の小型化は、大口径ズームを難しくていますね。
12-50mmでもF3.5-F6.3と、広角側でもF2.8から半段くらいですし、
望遠側は、一眼レフならば、廉価キットズームの望遠端としても暗いですね。
そして、広角を広げた12-120mmでも、F4-F5.6といたって普通の性能ですね。
マイクロフォーサーズでは、高性能な大口径ズームは困難~かなり難しいのでしょうね。
いまさら、フォーサーズの12-60mmや、14-35mm並みにの巨大光学系は有りえないでしょうからね。
パナに対抗する必要はないとしても、大口径ズームを望みたいですね。
可能ならば、12-24mm F2.8とか、14-28mm F2.8とか、オリらしく、12-36mm F2.0-F3.5なんて欲しいですね。
1日遅れですが、実際には真の満月だった5月6日のスーパームーンですが、
撮ってみたのですが、春の時期の空気の揺らぎがあって、難しいですね。
by kiyo (2012-05-07 13:20)
特許の請求範囲をクレームと言うのですね。何時もご説明頂いているように、現時点での技術の到達点と問題点を述べ、課題を明記するのが現代の特許だそうですが。
さて、今回のは実施例と数値だけなのでしょうか。数値に10%の差があれば特許に抵触しないと言うことのようですから、似たようなレンズがゴロゴロなんてあるかもですね。
先日、デフォーカスのMTFと言うのがあって、あるレンズは悪いのではないかと書いてあるのを見て疑問を持ちました。デフォーカスのMTFが揃っていなかったら、そのレンズは壊れています。意味を知らないで使っているのでしょうか。
by 良吉 (2012-05-07 18:17)
> 良吉さん
ご存知かと思いますが、特許の公開文書は以下のサイトで検索できます。
http://www7.ipdl.inpit.go.jp/Tokujitu/tjkta.ipdl?N0000=108
今回のオリンパスの申請は、インナーズームとインナーフォーカスを実現した高倍率ズームレンズの光学系ですね。可動部がレンズ筐体内部にあるので、動作音が小さくなり動画撮影に適しているとも記載されています。
特許申請書類の背景技術等を読むと、メーカーの開発トレンドが垣間見えて面白いです。
by hi-low (2012-05-07 23:29)
> hi-low さん
7倍ズームの18-125mmは当時としても一回り軽量なので気になっていました。
最新型のTamron18-270mmとSigma18-200mmは軽くなりましたが、前モデルはとても重かったのです。
オリンパスに限らずマーケティング関係者が室内(近距離)動画撮影を意識しない筈が無いので、近接性能は今後改善されると思います。
マクロ関係は、現行品ではツインLEDライト、いずれ発売する60/2.8Macroと、今後充実していくのではないでしょうか。
Zuikoで出す前に、Panasonic、Cosina、Sigma、Tamronが先行しそうな気もします。
> kiyo さん
> いまさら、フォーサーズの12-60mmや、14-35mm並みにの巨大光学系は有りえないでしょうからね。
仰る通りの、この一言に尽きると思います。
大きさを無視すればF2.0ズームは簡単ですが、μ4/3のバランスに合わせるとF値を暗くするしかないのでしょう。
思えばユーザーの要望は身勝手で、高性能で安く軽く小さくという、相反するスペックを要求しますからね。
ユーザーの意識の変化を敏感にとらえないと、性能のバランスや出すタイミング次第で、同じ製品でも売れる場合と売れない場合が出そうです。
Nikkor14-24/2.8のような巨大な光学系が受け入れられた時代、他社ミラーレスの魅力を0にしてしまったNEX発表直後、素子サイズとレンズのバランスが重要と再確認された今。
> 良吉 さん
そうですね。クレームが特許の範囲となります。
光学系の特許はその殆どが数式ですが、硝材と硝材の組み合わせはゴマンとあります。
仰る通り数値が変われば抵触は無いと思いますが、新規性が無いので出願しても特許にならないかもしれませんし、数値を少し変えると性能も落ちる可能性があるので製品化にならないかもしれません。
また同じようなクレームであっても、実施形態等の説明が「~によって小型化を実現可能」や「~によって動画に適する」とその時代のトレンドによって変わるのはhi-lowさんの説明通りです。
> 先日、デフォーカスのMTFと言うのがあって、
誰が何を根拠に書いたのかによりますが、アウトフォーカス部の結像のことでしょうか。
ボケ味に関する特許は滅多にありませんから、雑誌か何かの資料を引っ張り出して、感想を述べているのかもしれませんね。
by えがみ (2012-05-08 01:32)
>hi-lowさん
情報を有り難うございます。しかし、41ページのボリュームには、めげましたね。これを読まれているのには感心します。
>えがみさん
当特許の原文を読みましたが、数式など取り混ぜて専門用語が並び、裁判の判決文以上に難しい。これの要約は大変なことだろうと想像しました。
最近のソニー24/1.8でも重視されていましたが、インナーフォーカシングで起こる倍率の変化(コントラスト式は動画だと像が揺れる)を極小にする目的が興味を引きました。出れば面白いレンズかもしれませんね。
by 良吉 (2012-05-09 16:44)
仕様統一してしまうと自由な設計思想を奪ってしまうんですかね。。。
by ナビパ (2012-05-10 12:09)
> ナビパ さん
少なからず制限は出てしまいますよ。
しかし制限があることで、設計方法において新たな発見もあるでしょうし、デメリットばかりではありません。
by えがみ (2012-05-15 23:07)