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Nikon 58mm F1.2 の特許 [光学技術・レンズ設計]

ニコン58mm F1.2特許を出願中です。 最も物体側のレンズ、すなわち第1面を非球面とすることでサジタルコマフレアを補正したAi Noct-Nikkor 58mm F1.2Sと同様の構成を採ったレンズです。 ノクトは1997年に販売終了となりましたが、デジタルに最適化されて復活するのかもしれませんね。

AF-S Noct-Nikkor 58mm F1.2G

patent: 58mm f/1.2

特許文献、及び要約・自己解釈

  • 特許公開番号 2012-230133、2012-230340
    • 公開日 2012.11.22
    • 出願日 2011.4.11
  • 実施例1
    • 焦点距離 f=58.0220mm
    • Fno. 1.210
    • 半画角 ω=20.81°
    • 像高 21.6mm
    • 全長 108.8935mm
    • BF 38.0120mm
    • レンズ構成 7群9枚
    • 非球面 2面2枚
  • 従来のガウス型レンズはコマ収差、サジタルコマ収差の補正が不十分
  • 基本的な構成はガウス型やクセノター型に使われる正負負正
  • 正の屈折力を持つ前群 + 絞り + 正の屈折力を持つ後群
  • 非球面を前群と後群に1面ずつ配置することで、球面収差、サジタルコマ収差、メリジオナルコマ収差を補正
  • 全体繰り出し

性能

performance
球面収差、非点収差、歪曲、倍率色収差 サジタルコマ収差
AF-S Noct-Nikkor 58mm F1.2G AF-S Noct-Nikkor 58mm F1.2G

球面収差、非点収差ともに中心から+0.1mm程度あって、解像はあまり高くなさそうです。 しかし四隅を除ければ中心から周辺まで概ね均一の画質なので、星野写真では好まれるかもしれませんね。 またレンズは解像だけでなく、階調や色再現性、コントラストも重要な性能ですから、もし製品化されるとすればバランスを重視したものになるでしょう。 歪曲は-2%程度。

しかし全体繰り出しですか。 明るくないレンズなら繰り出し式で良いですが、大口径で繰り出し式だと近接性能にかなり無理がくるんじゃないかと思います。

第1面が非球面

ノクトニッコールについては今更説明するまでもないでしょう。

Noct-Nikkor(Nikon)、Nokton(Voigtlander)、Noctilux(Leica)といった名前を見れば、メーカーの思惑は、大口径によるBokehよりも、夜景撮影であることを読み取れるかと思います。 明るいだけなら過去に50mm F1.2の特許出願がありますが、明るいだけのレンズよりも、何らかの付加価値が欲しいものです。 今回の特許出願はノクトに近い設計思想を取り入れたので、夜間撮影でシャッター速度を稼げるだけでなく、点光源等の点像の撮影でも効果を発揮しそうですね。 特許出願だけですが、20mm F1.8/18mm F1.8もまたサジタルコマ収差の補正に力を入れていました。

ニコンF1.4シリーズの開発が一段落したので、現在は28mm F1.8等のF1.8シリーズ70-200mm F4等のF4シリーズを展開しているようです。 もし次のシリーズをF1.2にしてしまうと、現実的に設計可能なレンズが限られてしまうので、早晩ネタ切れになります。 そこでNoctシリーズとして、18mm F1.828mm F1.458mm F1.2等をラインナップしたら面白そうですね。


タグ:f1.2 NIKKOR 58mm
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良吉

 最近読んだパンフレットに35/1.4の開発者が点光源の再現性について、解像力を上げていくと犠牲になると発言した記事が載っています。どうも、解像力を上げるため球面収差を立てていくとコマや非点が増えるようですね。

 古いノクトニッコールは逆に点光源再現に力を入れたため解像力が犠牲になったと考えられないこともありません。昼間は並レンズと言う話も有ったような。今回も、球面収差の補正値が並なのは、この辺に原因がありそうですね。

 後群への入射角度を変えるため中間に凹レンズを入れているのはペンタックスの55ミリと同じような考えでしょうか。

 いよいよクリスマスが近くなり、街にイルミネーションの装飾が増えると、絶好のコマテスト機会になりますね。先日、NEXのツアイス24/1.8をテストしてみました。長さが長いので少しは良いかなと思いましたが、並です。でも解像力は良いことになるのでしょう。

 キャノンの50/1.2は近接撮影を犠牲にして、ボケの美しさを優先したようですが、ニコンが実現する1.2は何かを犠牲にするのでしょうか。出現するかも知れないツアイスは、どうでしょう。興味しんしんですね。

by 良吉 (2012-11-23 10:38) 

ゆうき

何とも心ときめく出願案件ですね。解像度に関してはf1.2という大口径の時ですから必要にして十分かなと思います。重要なのは画面全体での均一性で、ナノクリスタルコートが登場した頃。降るサイズカメラ前夜あたりからニコンは、レンズの画面全体での画質向上に努力している事を非常に感じます。

特に14-24/2.8などは言うに及ばず、他社製品と比べても50mm/1.4Gや85mm/1.4Gは比較的浅い絞りから隅々までシッカリ解像します。一部では好評だったシグマの50mm/1.4や85mm/1.4が周辺画質を考慮せずに、一般的にウケのよい開放付近の収差特性を優先してるのとは対照的で面白くもあります。

周辺まで収差を補正するのは大変に難しいと存じますが、ニコンの単焦点レンズはEDレンズ等の特殊硝材や非球面などを多用せず、可能な限り球面レンズで、しかもレンズ構成の美しさまでこだわり設計を仕上げるところには、光学メーカーとしての気概を感じます。また、カメラのセンサーがAPS-Cとフルサイズ(D800などレンズ周辺部まで画素ピッチが狭い)という違いにもシグマなど他社と設計思想の違いが生まれるのかなと。

またノクトは精研非球面でしたがニコンはモールドで同等以上の精度が出るようで、問題の多い研削非球面を使うより製造技術的にも登場より進んだ製品が見れるのが楽しみです。

何にしても50mm共にぜひ早く製品化して欲しい!

by ゆうき (2012-11-23 11:07) 

ken2

18/1.8とか16/2.0といった超広角大口径が出てくれると嬉しいです。
ニッチな市場となるでしょうけど、この焦点距離なら、APS-Cでも美味しいと思うのですが。

ニコン1でも、そのイメージサイズを活かして、フルサイズでは難しい超大口径の単焦点ラインナップなどがあってもいいのではないだろうかと思います。ボケうんぬんより絶対的明るさが物を言う分野もありますので。
by ken2 (2012-11-23 14:08) 

MDISATOH

ノクトニッコール58mmF1.2のデジタル版期待して居ます。
(天体撮影用として)
by MDISATOH (2012-11-23 17:19) 

しばちゃん2cv

大口径レンズは、見てるだけで気持ちが良くなってきます。レンズに吸い込まれそう。
by しばちゃん2cv (2012-11-24 21:58) 

えがみ

> 良吉 さん
「球面収差を極端に補正しないことで ~ 」と文章を括りたかったのですが、イマイチ確証を持てませんでした。情報有難うございます。
あちらを立てればこちらが立たず。どのレンズもその呪縛から逃れることは出来ません。

ZeissはDistagon55/1.4ZFといいPlanar50/1.4ZAといい、大忙しですね。コシナ設計コシナ製造と、ソニー設計ソニー製造なのでしょうけど。
やはりストーリーのあるレンズを選びたいものです。


> ゆうき さん
コメント有難うございます。
仰る通りF1.2という条件を前提にすれば、素晴らしい性能だと思います。
絞りによる変動が無ければ、絞ることで縦収差は解消可能でしょう。

ご指摘のようにシグマは中心のみ突出した解像というパターンが少なくないように思います。
フルサイズのラインナップの有無も、納得の理由ですね。

おそらく今頃は設計者の方が栃木ニコンへ何度も往復し、この非球面を何とか製造してくれ、と頼み込んでいることでしょう。


> ken2 さん
ご提示されたスペックなら、APS-Cでも非常に使い易そうです。
ただΣ20/1.8を見れば分かるように、とてつもなく肥大化した光学系になることが予想されるので、本当にそのスペックを必要とするユーザーのみが使いそうです。

ニコンはニコン1を開発するにあたってマウント規格の検討はかなり念入りに行ったようです。
F0.7も実現出来るんじゃないかという位に…
http://egami.blog.so-net.ne.jp/2012-05-28
(特許文献と製品が別物である可能性、実際の製品には電子接点があること等、懸念点はありますが)

ニコン1は世界中で売れていても、キットレンズで満足するミラーレス・ユーザーが大半なので、交換レンズのラインナップは今は難しいと思います。
スマートフォトセレクターを暗い場所で使ったら、シャッター速度が固定されて困りました。
明るいレンズのラインナップは色々な意味で急務ですね。


> MDISATOH さん
意味もなく特許出願しないでしょうから、可能性はゼロではないでしょうね。


> しばちゃん2cv さん
設計が難しい、という前提条件が一層魅力的ですね。

by えがみ (2012-11-26 00:39) 

ポロ&ダハ

nikkorの標準レンズは球面収差に関しては過剰補正にしてF2.8より大きいF値部分の球面収差を限りなく少なくして、絞った際の解像度を稼ぐというのが定番でしたね。
CANONがEF50mm/F1.4USMで初めてドイツ的な完全補正にしたのに対し、nikkorは相変わらず絞り開放時のコントラストは犠牲にしても、解像度を重視しているようですが、このレンズの場合は、常に弱い過剰補正のようですから、コマ収差によるフレアは少なくてもハロがどの程度に収まるか興味津々ですね。
2枚目と3枚目の間は凸の空気レンズとして凹レンズの役割を果たすんでしょうけど、前群のパワーは弱そうですね。
その分、後群のパワーが強めでフランジバックを確保しているみたいですけど、開口効率は何%まで確保できるんでしょうかね。
30%を切ったら、画面周辺ではF2より暗くなっちゃいますから、せっかくコマ収差が減ってもメリットは半減ですよね。
あと、非点収差はSとMでカーブの方向が逆になっていて、途中で交差するタイプみたいですから、像の平面性は良さそうですが、ボケの感じはどうなるんでしょうか。
by ポロ&ダハ (2012-11-26 01:49) 

水銀

えがみさん、こんにちわ

デジタルでノクトシリーズは面白そうですね(^^)
経済的に自分には買えそうにありませんが、そういう夢のあるレンズがラインナップされているシステムは良いことだとおもいます♪
by 水銀 (2012-11-26 06:14) 

えがみ

> ポロ&ダハ さん
屈折力の弱い前群と強い後群の組み合わせは昔からよく使われてきましたが、一眼レフである限り多分この基本は変わることはないだろうと思います。
ミラーレスならどんな工夫が出来るのか見ものではありますね。

コマだけ減らしても仕方が無いですから「せっかく~」というのはご指摘の通りです。
ハロは開放だと出るでしょうが、実用性の度合いはモノを見て見ないと分かりません。


> 水銀 さん
“上”がラインナップにあるマウントは良いですね。
今は無理だけど、いつかは○○、と夢を持ち易くなります。

by えがみ (2012-11-28 21:26) 

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