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Nikon 銀塩カメラ用デジタルバックの特許 [生産技術・品質検査]

ニコンが、銀塩フイルムカメラの裏蓋を交換することでデジタルカメラとして使用可能な、デジタルカメラバックの特許を出願中です。 特許の内容は、フランジバックを調整可能な機構に関するもので、これによりデジタルバックを安価に製造可能になるかもしれませんね。

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カメラボディの背面

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デジタルカメラバック

特許文献、及び要約・自己解釈

  • 特許公開番号 2012-242615
    • 公開日 2012.12.10
    • 出願日 2011.5.19
  • 従来のデジタルカメラバック
    • 精度を出す為に、位置検出センサが必要
  • ニコンの特許
    • 着脱自在のデジタルカメラバック
    • フイルムガイド部材と撮像面の距離を規定の値にする
    • デジタルバック側のネジ(図の104、106)は、カメラ本体のフイルムガイドレール上(図の10b、10a)に接合され、ネジの回転によってフランジバックを調整可能
    • デジタルバック側の爪(図の102a)がカメラ本体の開口部の上辺(図の11a)を押さえることで、固定可能
    • 開口部の下辺(図の11b)は、バネの付いた爪(図の107)で押さえ込まれる

Nikon F7

Fの系譜
機種 発売年 経過年数
Nikon F 1959
Nikon F2197112
Nikon F319809
Nikon F419888
Nikon F519968
Nikon F620048
Nikon F7?????

フイルムカメラとデジタルカメラの違いは、光をフィルムで受光するか撮像素子で受光するかだけで、暗箱という原理は変わりません。 フイルム一眼レフ、デジタル一眼レフ、ミラーレス、コンデジ、コンパクトフイルムカメラ等々、皆同じです。 従って、フイルムを置く部分に撮像素子を置けば、フイルムカメラをデジタルカメラとして使用することが可能になります。 代表的な製品は、 MamiyaやHasselbladといった中判カメラのデジタルバック、 Leica R8/R9のデジタルモジュールR等です。 交換が前提ではありませんが、KodakのDCS Proシリーズ(F3やF5等のボディを改造していた)も構造は同じですね。

ところが着脱可能な機構を設けた場合、フランジバックがシビアになりまして、 僅かなガタツキによってピントが狂う可能性があります。 フランジバックを調整する手間も、デジタルカメラバックが高価である理由の一つですね。

ニコンの特許はフランジバックの調整に関するものです。 おそらくこれはユーザーが行うものではなく、組立や調整の現場で行うことを想定したものでしょう。 こんな面倒なこと、私はやってられませんからね。

専用カメラが必要になるという欠点

この特許に限った話ではありませんが、3つの理由により、専用カメラが必要になります。

1つ目。 防湿庫の肥になっている既存の銀塩カメラでの使用を期待した方もいらっしゃるかと思いますが、デジタルバックは裏蓋ごとに設計が必要になります。 中判カメラのデジタルバックはシリーズを通して規格化されているから、ずっと使えるのですね。 ただこれは理由としては弱く、数の出ている既存機種を1つ選び、デジタルバックの寸法を合わせ込んでも良いですね。

2つ目。 既存機種だと露光のタイミングを合わせられません。 Kodakの古いDCSシリーズは10ピンターミナル、機械式の中判カメラではシンクロケーブルを使って露光のタイミングを合わせていましたが、ケーブルが邪魔なのです。 だから方法が無いわけではないのですが、カメラ内部に通信用の接続部を設ける方が簡便でしょう。

3つ目。 カメラ本体の開口部に爪を嵌める機構も問題で、フルサイズは使えず、例えばAPS-Cの大きさになります。 開口部をあらかじめ大きく取り、フイルムを使用する時はパーフォレーションの部分にまで露光してしまうような専用カメラを作れば、デジタルバック使用時はフルサイズが可能かもしれませんね。

3つとも理由としては弱く、専用カメラにしなくても実現出来ないことはないのですが、製品として中途半端なものになりがちです。 時代錯誤と言うべきなのでしょうが、ところで、ニコンF6の発売から8年が経過します。 F7に関して、ニコンは全く何も考えていないわけではなかったのかもしれませんね。

patent
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斜図 デジタルバック単体の側面図 カメラへ装着した状態の側面図

タグ:NIKON
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コメント 7

astray

こーゆーのを待ちに待っています。

ファイバーで延長するか、センサーを削ってでも、
フルサイズに近づけてほしいものです。

巻き上げ機構 + x 接点 + 押しボタン 1 つくらいで、
露光のタイミングを絞り込む方法を
夜な夜な考えていたりします ^_^;
宝くじ当たったら、裏蓋いっぱい買って挑戦するやも。。。

by astray (2012-12-18 14:17) 

ゆりこ

Nikon F7 が出るときはフィルム専用ではなくデジタル対応になると思っていました。一番素直な方法がデジタルバック対応でしょう。
他には TLM などで光を分離してフィルムとセンサーに同時記録する方法が考えられますが、これだと露出制御がむずかしいですよね。
フィルムカメラの開発・製造技術を継承するために数年以内には F7 が出ると思いますが、どういうものに仕上がるか楽しみです。
by ゆりこ (2012-12-18 18:52) 

(^・^) かるがもオフィシャルブログ管理人

こんにちは
フィルム時代は主にCONTAX京セラのユーザーだったのですが、デジタルに切り替わる時、こういう改造サービスがあったらいいのにと思っていました。ポラパックのような着脱式じゃなくデジタル専用化改造で、構造や価格的にも性能はそこそこで十分。こだわり過ぎて迷走するより手軽なシステムの継続を、と。

ニコンは医療用や産業用を考えているのでしょうか。
経費削減で、装置に組み込んであるカメラのフィルム部分だけデジタル化するとか。(今でも古いPC9801を探す人がいるのと似てるのかもしれません)
by (^・^) かるがもオフィシャルブログ管理人 (2012-12-18 22:13) 

hi-low

センサーサイズはCXでも良いので、モノクロ仕様のデジタルバックが欲しいですね。ついでに、デジタルバック対応のFM10後継機種もあれば、懐にはなお良いのですが…。ベイヤー配列データから作るとモノクロ画像と、モノクロセンサーの画像は別物なんですよね。
by hi-low (2012-12-19 08:57) 

RAVEN

かつてのカメラを全て(全てというのは語弊がありますから「より多く」くらい?)、活かそうと思うなら、撮像・処理を担当するコア部分と、それをカメラに合わせるインタフェース&アダプター部分の組み合わせ、という構造になるのでしょうか?
かつてのタムロン・レンズのアダプトール方式みたいな。

我が家にも眠っている銀塩カメラが多数ありますし、それを活かせたら、、、という気持ちはありますが、それよりも「撮像素子と画像処理エンジンブロックをバージョンアップできるカメラ」の方が魅力的なような、、、、、

by RAVEN (2012-12-19 14:02) 

えがみ

> astray さん
強引ではありますが、フルサイズに近付ける工夫も面白そうですね。

シンクロ接点の無いカメラでストロボを使いたい時、デジタル側を長秒露光にして、部屋を暗室にし、シャッタ時間をストロボの発光時間に頼る方法がありますね。
Coolpixの内蔵ストロボをトリガにしようと思ったのですが、どうしても同調しなくて、この方法を使ったことがあります。
暗室にする必要はありませんが、デジタルバックのウエイクアップ撮影と似ているでしょうか。


> ゆりこ さん
F7を発売した場合、短期的に見た算盤勘定だけを考慮した判断をさせて頂くと、ニコンは利益を得るどころか大赤字だと思いますが、損害を最小限にする為には、F6ボディの流用とD4のAEやAFセンサーの組み込みが重要です。
一応ニコンのカメラ事業は黒字なので、技術継承だけを目的に、F7に開発費を投じても良いのですけど。


今でもデジタルとフイルムの2台を使って集合写真を撮影する業者さんは多いですね。
視点が異なってしまいますが、撮らないよりはマシなのでしょう。
写真館向けで光路分割機能の付いたスタンドがありましたが、普及しないのは運用の面倒さと価格でしょうね。

ソニーのは3割がAFセンサに使われていると言われていますが、これを50:50にすれば同じことは出来そうです。
しかしフイルム側とデジタル側で感度を変えてしまうと、ご指摘の通り、露出制御が面倒になりそうです。


>(^・^) かるがもオフィシャルブログ管理人 さん
私も大昔はニコンの顕微鏡にフイルムカメラで撮影、次いでキーエンスのデジタルマイクロスコープと変遷してきましたが、10年以上前の話でしょうか。
分光特性等の理由でフイルムが必要なら仕方が無いですが、デジタルに移行したいのに予算の関係でそれが出来ないなら、事業や研究そのものを見直す必要があると思います。

否定的な意見になってしまい申し訳ないですが、大きさがネックですよね。
汎用的なら電源やカードスロット等、色々必要ですから。
当時も今も、フイルムボディとデジタルボディの両方を調達する方が安上がりになりそうです。

by えがみ (2012-12-19 18:39) 

えがみ

> hi-low さん
部品ストックを考えると、F6かFM10か、ということになりますね。
Nikon1のラインナップの一つをモノクロ専用にする方が近道かもしれません。
CXサイズなら撮像素子も安そうですし、万一に備え、モノクロ/カラー2台携帯しても負担にはなりません。

モノクロ専用機の需要は決して多くないものの、ゼロではありませんから、メーカーも考えてほしいものですよね。


> RAVEN さん
そうですね。I/Fさえ決めてしまえば後はそれに合わせるだけです。
例えばニコンFE2/FM2は日付用データバックが共通だったので、これに限って言えばデジタルバックも共通化出来るでしょう。
しかし大抵は機種毎に専用のデータバックが用意されていたので、I/F仕様決めは難しそうです。

撮像素子とDSPをバージョンアップ、グレードアップ、ダウン出来るのが中判デジタルバックです。
これを35mm用マウントでも実現すれば、Leica M Typ240みたいに、タイプナンバーによって陳腐化を防ぐ必要はなくなります。

ただこの手法は据え置き型PCには向いていますが、小型軽量化を追及するカメラには向いていないのですよね…。
ノートPCもCPUは交換出来ても、M/Bの交換は先ず無理ですし…。
因みに一体式の中判(ZD、S2、645D、S)は非常に軽量ですが、デジタルバック交換式の中判(645DF系、H系)は結構重いので購入を躊躇してしまいます。

by えがみ (2012-12-19 18:40) 

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Nikon 銀塩カメラ用デジタルバックの特許(エンジニアの嗜み)("Haniwaのページ"作者のblog 2012-12-18 13:54)

ゆりこ様からの情報で、えがみ様のエンジニアの嗜みでNikon 銀塩カメラ用デジタルバックの特許が紹介されているとのこと。ゆりこ様、情報ありがとうございました。 ニコンが、

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