Sony 100mm F4.5(1/1.7") Reflex の特許 [光学技術・レンズ設計]
ソニーが100mm F4.5の特許を出願中です。 レフレックス(反射屈折型)レンズにしたことで全長が短縮化されているので、ミラーレスでの運用が軽快な超望遠レンズです。 1/1.7型の撮像素子に対応し換算470mm相当になる設計と、2/3型の撮像素子に対応し換算400mm相当になる設計が公開されているので、新たな対応カメラが期待されますね。

patent: 100mm f/4.5 (1/1.7")
特許文献、及び要約・自己解釈
- 特許公開番号 2013-15712、2013-15713
- 公開日 2013.1.24
- 出願日 2011.7.5
- 実施例1
- 焦点距離 f=100.00mm
- Fno. 4.60
- 半画角 ω=2.66°
- BF 5.773mm
- MOD β=0.1
- 非球面 2面1枚 (両面非球面)
- 対応フォーマット 1/1.7"
- 実施例3
- 焦点距離 f=100.00mm
- Fno. 4.56
- 半画角 ω=3.19°
- BF 7.137mm
- MOD β=0.1
- 非球面 3面2枚 (片面非球面 + 両面非球面)
- 対応フォーマット 2/3"
- ソニーの特許
- 反射屈折型
- 全長の短縮
- 色収差の軽減
- 正負正の3群構成
- インナーフォーカス (第2群)
- 手振れ補正 (第1群の1部)
望遠レンズを小型化する手法の1つ
ミラーレスと言えど望遠はレンズの長身化を免れることが出来ません。 全長を短縮化する方法として反射屈折型光学系が昔から使われてきましたが、最近では新しい設計を見掛けなくなりました。 絞りが固定であること、AF出来ないこと、鏡筒の径が太いこと、Bokehがリング状であること、と嫌われる要因としては仕方の無いものですね。
しかし時代は変わりました。 ミラーレスやコンデジに限った話ではないですが、内蔵NDフィルターやISO感度可変により、絞りが固定であることのデメリットは無視出来るレベルでしょう。 コントラストAFであれば、AFも動きます。 撮像素子が小さいので、小さな有効径で済み、鏡筒の径も太くなりません。
リング状のBokehに関しては特開2013-15600を後日紹介っと。
ミラーレスとミラーレンズは相性が良いのです (屈曲型や反射屈折型)。
ソニーの特許
ソニーの特許は、反射屈折型光学系に最適化されたインナーフォーカスと手振れ補正を組み込んで、ミラーレスでも使い易くしたものです。
昔ながらの反射屈折型レンズは、2つの反射面の距離を変化させる、いわゆる前群繰り出し(フロント・フォーカス)方式が多く採用されています。 物理的な繰り出し量は同じであっても、非反射式に対し、光学的に3倍の繰り出し量を得られる為、最短撮影距離を短く出来るのが特徴です。 例えばタムロンの55BはMOD=1.7m MAG=1:3で、ニコンのReflex-Nikkor 500mm F8 <New>はMOD=1.5m MAG=1:2.5ですから、テレマクロとして使われている方も少なくありません。 但し反射面の距離というのは光学的に敏感らしく、近距離での収差変動に劣るようです。
ソニーがインナーフォーカスを採用したのは、収差よりもミラーレスや動画対応という理由が大きいと思いますが、最大撮影倍率としてはあまり寄れなくなりました。 しかし対応する撮像素子が小さく、換算される最大撮影倍率が大きくなりますから、問題にはならないでしょう。
| 左から球面収差、非点収差、歪曲 | 横収差 | ||
|---|---|---|---|
| Inf | Mod | Inf 通常 | Inf 防振 |
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対応するカメラ
最近のネオ一眼は、20倍以上の超高倍率ズームを誇るようになりました。 ネオ一眼には汎用性も必要で広角までカバーしますが、望遠に特化したネオ一眼やコンデジがあっても良い気がします。 但し最近のネオ一眼は換算1000mmまでカバーするズームですから、特許の換算500mm前後の単焦点だと競争力が弱いですね。 やはり交換式でしょう。
ペンタックスQマウントはフランジバック9.2mm、内径約29mmで、元々レンズが1/1.7"まで対応していますから、特許のレンズとの相性は抜群です。 QとQ10は1/2.3"なので、特許のレンズを使った場合は、換算550mm相当です。 但しソニーがQマウントを手掛ける理由は何もありません。
こじ付けで、ソニーNEX用で締め括ります。 特許の光学系をAPS-C用にスケールアップして(収差も拡大されますが)、BF=約17mmでEマウントに対応、約300mm F4.5 フィルター径φ77mmで如何でしょう?
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トラックバック 1
ミラーを省略したミラーレスカメラと、ミラーを利用したミラーレンズの相性は良いということです。...











えがみさん今日は!爺は若い頃にレフレックスニッコール500mmF8
を望遠レンズとして使用して来ました。この望遠レンズを選んだ理由は、価格が安かっただけの事です。通常の屈折式500mm望遠レンズは、高価過ぎて、今でも手が出ません。
反射屈折系の利点は小さくて済む点ですが、絞り固定で、暗い(F8)
でボケがリング状に成る事は、欠点とされます。
爺は天文も好きで、ミードLX-200-25(シュミットカセグレンD256mm
FL1600mmF6.3)天体望遠鏡も所有して居ますが、余りにも重過ぎて、フォーク型赤道儀仕様ですが、約40kg有り、最近は殆ど稼動していません。
最近、ミラーレス機用のレフレックス型の望遠レンズが売り出されて居ますが、今の処購入していません。
by MDISATOH (2013-01-25 11:57)
2/3型対応レンズに冷却モノクロCCDとフィルターホイールを組み合わせると、ポータブルアストロカメラになりそうです。赤道儀は、Vixenのポラリエですね。
by hi-low (2013-01-25 21:14)
いろいろ考えるんだなあと感心してしまいました
CP+で発表になるツアイスの50mm1.4に興味あります
by mphoto (2013-01-25 22:27)
> MDISATOH さん
他のレンズを諦めて、500mm F4クラスを選択されるのも一案ですよ。
広角まで中望遠までの大口径レンズによって得られる撮影結果と、大口径望遠レンズによって得られる撮影結果の、どちらを優先するか迷いますよね。
> hi-low さん
おおっ、ライカ判だとべらぼうに高くなってしまいますが、2/3型だと小型廉価で済みそうです。
Qや1に各種アクセサリを組み合わせて使う天体キットを、何処かが発売しそうな気がします。
> mphoto さん
Distagon 24/2 ZAに続いて、Planar 50/1.4 ZAですか。ソニーもやっと単焦点レンズが揃い出しました。
特許にあったワイコン+中望遠ガウスではなく、オーソドックスなガウス型のようで、安心の写りですね。
by えがみ (2013-01-26 00:11)
> コントラストAFであれば、AFも動きます。
これは違いますよ。カセグレン系のカタディオプトリック式の光学系はコントラスト式AFとの相性が悪いですよ。
それは、点光源がフレーム内のあってそれが、大きくアウトフォーカスになるといわゆるリングボケになりますが、あるところで、点光源自体はアウトフォーカスなのに、内部の副鏡に遮蔽された内部の円がくっきりとなるポイントがあってそれをコントラスト最大と誤認して合焦として判断してしまう場合があるからです。
むしろ、過去にコニカミノルタと2、3年前にディスコンになったαマウントのAFレフレックスがあったように、位相差じゃないとすべての距離においてフォーカスすることは出来ません。
今回の特許のレンズも、撮像面位相差と併用することが前提でしょう。
by MKM (2013-01-27 18:26)
> MKM さん
ご指摘ありがとうございます。
NEXやPanasonic等を使っていると、偽合焦することが多くて、まだまだ課題が多いと思っています。
光学系の種類に関わらずボケの円を拾ってしまって、仰るような問題がるのかもしれません。
コントラスト情報のみを参照すると誤認するのかもしれませんが、パターンマッチング等の画処理を併用することや、コントラストの計算方法を見直すことで改善の余地がないでしょうか。
勿論、現時点で直ぐに対応出来る筈だと考えているわけではありません。
コントラストAFと書きましたが、特許出願のレンズは明るいので位相差でも良いですね。
by えがみ (2013-01-28 00:24)