Canon 17-85mm F4-5.6 の特許 [光学技術・レンズ設計]
それと、Foveonが高感度(≒低照度下)で不利なのは色分離が悪いだけではなく、Foveonが得意とする色解像(B)と、人間の目が得意とする色解像(G≒Y)が一致しないが故に、より低画質に見えてしまうのではと思いました。

patent: 17-85mm F4-5.6
特許文献、及び要約・自己解釈
- 特許公開番号 2013-25085
- 公開日 2013.2.4
- 出願日 2011.7.21
- 実施例1
- ズーム比 4.70
- 焦点距離 f=17.55 - 37.33 - 82.48mm
- Fno. 3.98 - 5.06 - 5.64
- 半画角 ω=37.89 - 20.10 - 9.40°
- 像高 13.66mm
- レンズ全長 119.65 - 134.85 - 156.62mm
- BF 37.59 - 52.48 - 62.64mm
- レンズ構成 11群18枚
- UDガラス 2枚
- 非球面 2面1枚
- 正負正負正の5群ズーム
- インナーフォーカス (第2群)
キヤノンの特許
キヤノンは異常部分分散レンズを用いることで色収差の改善を図ったようです。 異常部分分散レンズの生成には様々な方法があるようですが、例えば、異常部分分散性の高い無機酸化物微粒子を合成樹脂中に分散させると良いそうです。 また現行品であるEF-S17-85mm F4-5.6 IS USMでは使われていなかったUDガラスが使われているようです。
本特許には防振の記載がないので、そのまま製品化されることはないと思いますが、特許出願は1年と半年前なので、今はずっと進んでいると思われます。
性能
| wide | tele |
|---|---|
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左から、球面収差、非点収差、歪曲、倍率色収差
四隅を除けば、特に非点収差は気持ちの良い位に0に張り付いていますね。 その他諸々の収差を含めるとピクセル等倍ではアラが目立ってしまうと思いますが、便利ズームとしてはなかなか使えそうですね。
キヤノンの特許を扱ったついで(むしろメイン)。
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|---|---|
| 高照度下では瞳孔径が閉じる | 低照度下では瞳孔径が開く |
特許文献、及び要約・自己解釈
- 特許公開番号 2013-26793
- 公開日 2013.2.4
- 出願日 2011.7.20
- 人間の目
- RGB各色に対する解像度が、明るさに応じて変化する
- カメラの絞りと一緒
- 明るいと、瞳孔径が縮小して、水晶体の色収差軽減
- 暗いと、瞳孔径が拡大して、水晶体の色収差が発生
- 低照度下では、赤と青の相対的な解像度が低下する
- 表示機器
- TV、PCモニタ、携帯電話、スマートフォン、etc…
- 高画質化が進み、画質による差別化が難しい
- デバイスの特性や視聴環境、撮影条件による補正処理が行われている
- 但し人間の目を考慮した補正の見聞は無い
- キヤノンの特許
- 人間の視覚特性に基づき画像のリアリティを高める
- 色収差を補正しても、感性的に画質の良い画像になるとは限らない
- 人間の感覚に近付けた補正を行う
- 実施例1
- 撮影領域の明るさを推定し、明るさ応じた処理を行う
- 瞳孔径や収差量を計算で求める
- 高周波成分の抑制によって、青色の解像度を相対的に低下させる
- 実施例2
- 画像にExif等が無い場合、類似画像検索を行う
- 実施例3
- 平均化処理によって、青色の解像度を相対的に低下させる
- 実施例4 (実験)
- コントラスト感度は目の色収差に影響される
- 青色のコントラスト感度はとても低下し易い
- 赤色のコントラスト感度は少し低下し易い
- 実施例5
- Exif等に頼らず、カメラ本体で撮影時の情報を用いて補正する
キヤノンの特許
キヤノンは閲覧環境を意識した機能が多いと思います。 例えばプリンタには環境光補正機能が搭載されていて、これは写真展示環境の色温度を考慮した色補正を行うものです。 デジタルカメラにおいても、正しい色かどうかは別として、キヤノンや富士フイルムの色合いは個人的に好みです。
キヤノンの特許は人間の目の性質を考慮して、画質を劣化させるもの。 今の時代どんなカメラも、きれい過ぎる撮影画像を出してくれて、それは間違いではありませんが、リアリティを求める上ではやはり特許の技術が必要になるでしょう。
バランス主義者のBayer式
Bayer式で例えば1200万画素の場合、その内訳はGが600万画素、RとBがそれぞれ300万画素になります。 最終出力画像が1200万画素なので、1つの画素から得た1色を周辺画素の計算に用いる為、最終的な1画素は補間されています。
補間と言うと聞こえは悪いですが、殆どのデジタルカメラの画質が示す通り、実用上問題の無い画質を得られています。 RとBは解像度が低いのですが、画質の低下を感じ取れないのでは、人の目はG≒Y(輝度)に対する感度が高いからです。 低照度下ではそれがより顕著になり、特にBは解像度の必要性が低下します。
一般的なBayer式センサーはRGBの比率が1:2:1ですが、低照度専用に例えば2:4:1とするとより高画質に感じられるかもしれません。 使い所が限られてしまうので低い実用性が泣き所です。 富士フイルムのX-TransはRGBの比率が2:5:2で、最初見た時はGの比が高過ぎないかと思ったものでしたが、今思えば理に適ったものですね。
完璧主義者のFoveon式
Foveon式で例えば1200万画素の場合、その内訳はRGBがそれぞれ400万画素になります。 最終出力画像が400万画素なので、1つの画素から得たRGBをそのまま1つの画素に割り当てる為に補間の必要が無く、ピュアな1画素を得ることが可能です。
人の目の性質を前提とすると、Foveon式は過剰画質と言えます。 実用上はBayer式で殆ど問題はなく、Foveon式の性質は計測機器等に向いています。 それでもBayer式に眠たさを感じてしまうのは、あくまでもBayer式は実用上問題の無い画質であって、より高みを目指すならFoveon式ということでしょう。
高感度に弱いFoveon式
Foveon式の欠点は高感度(≒低照度下)に弱いことで、色分離の悪さを原因とする記事をよく見掛けます。 ここで仮説を。
Foveonが低照度下に弱い最大の理由は、深さによって吸収する波長が異なるシリコンの特性を利用したいが為に、BGRの順で色分解する為ではないでしょうか。 低照度下でもBの画質は良いのですが、人間の目は低照度下でBに対するコントラスト感度が低下する性質を持っているので、Bの画質が無効化され、色分離の悪いGRが目立ってしまうのです。
つまりFoveonが高感度(≒低照度下)で不利なのは色分離が悪いだけではなく、Foveonが得意とする色解像(B)と、人間の目が得意とする色解像(G≒Y)が一致しないが故に、より低画質に見えてしまうのではないでしょうか。
これを解決する手段として、例えばGを最初に取り除く特許があります。 シグマも何らかの手段で解決してほしいものですね。
とある単焦点50mmレンズ固定式カメラ
具体的にどのカメラというわけではありませんが、某カメラが気になっていて予約しようかと思っていました。
- そのメーカーのカメラとしては史上最高画質かそれに準ずる画質の可能性
- 敢えてレンズ非交換式とすることで完全に最適化された設計のレンズ
- 敢えて焦点距離を50mmと長くすることで圧倒的有利な射出瞳位置
- そのメーカーのカメラは周辺色付きが気になります
- 敢えてF値をF2.8と暗くすることで無理の無い光学設計
- F4.0ならもっと良かった
- マクロ仕様のレンズで接写に好適
- 1:3ですが実用上問題無いでしょう
- ブレや静音に有利なリーフシャッター
- ストロボ全速同調のリーフシャッター
- 因みにフル発光だと高速側で同調しないと思いますよ
- ニコン伝統のフィルター径φ52mm
- ニコンは無関係です
- 三脚穴と光軸が一致。液晶は少しずれている?
一般人は殆ど買わないでしょうが、2台目や3台目のカメラとして良い選択肢ですね。 キャッシュバッシュキャンペーンを見て、予約の手が止まりました。
少し閑話ですが、ずっと昔、Foveon機を買ったことがあります。 中判は、フルサイズが更に大きく重くなっただけで難しくありません。 大判は操作が面倒ですが、ユーザーがミスをしない限り失敗することはありません。
ですがFoveonは違うのですよ。色も露出も合わない。 今まで様々なカメラを使ってきましたが、唯一使いこなせず、その時は手放しました。 最近のFoveonは評判が良いので、私は時期が早過ぎたのかなと。
閑話旧題で話を現代に戻します。
既存ユーザーのみキャッシュバック3万円って(機種によって異なる)。 10万円以下のカメラですから、3割引以上ですよ。 せめて1万円とかですね。 数年もすればその安い価格を全員が享受出来ると思うので、既存ユーザー限定のご祝儀価格キャンセルキャンペーンということでしょうか。
既存ユーザーには嬉しいと思いますし、既存ユーザーには相応の対価があって然るべきです。 ですが既存ユーザーはその価格に納得して購入したのであって、キャッシュバックを期待していたわけではありません。 新規ユーザー候補者はどう思っているのでしょうか。 既存ユーザーが極端に安い価格で買えてしまうのを、傍から見ながら、新規ユーザーは正規の価格で買わなければならない。
「スーツ2着目1000円」というビジネスモデルを思い出しました。











えがみさん、
>とある単焦点50mmレンズ固定式カメラ
もろに、Sigma DP3のスペックですね。
いい固定レンズ式コンパクトカメラですよね。
個人的には、購入したい数少ないコンパクトカメラですね。
新規購入者で、このキャンペーンを味わうには、
2台以上購入すると、1台目は購入価格、2台目以降はキャッシュバックが受けられるハズですね。
2台以上分のポイント(ヨドバシなど)も大きいですね。
まさに、えがみさんの例どおりに、2着以上スーツを購入すると、2着目からは安いですね。
Foveonって、完全を求めて、結果、非常に不完全でアナログな世界に嵌っている気がします。
色の再現性を求めてFoveonに辿り着くと、そこにあるのは、圧倒的な解像度と、
逆に曖昧に、どうしても色被りが混在した画像がFoveonの特徴なんだと思います。
初期のSD機では、その圧倒的な解像感なしに、いろいろな色被りがある悲しい状況だったと思います。
あと、色についてですが、カラーフィルター式では存在し得ない特定の色域に強みがあります。
全波長帯に渡って多色混合されているので、出ない色はない変わりに、純色は出にくい。
カメラ内現像では、完全な解像が伴わないので、SPPでRAW現像せざる負えない。
少し前の話ですが、CP+2013のコシナさんのブースで話題のNokton 42.5mm F0.95レンズを試してきました。
ヘリコイドの回転角270度は、2つのエリアに分離されていて、最短撮影距離~数mの近距離に180度、
数m~∞(無限遠)の近距離以遠に90度となっていました。
近距離重視のフォーカシングです。
なお、35mm換算85mm相当で、最短撮影距離23cmほどなので、かなり寄って拡大できる中望遠レンズでした。
もちろん、欲しくなりましたが、高そうですね。
by kiyo (2013-02-06 15:56)
繰り返しになりますが、私はエンジニアで無いので想像でしかありません。
友人たちと話す中で、Foveonの高感度性能が弱いのには、ある仮説を持っていました。
理由はやはり「BGRの順で色分解する為」なのですが、
フィルターの減衰によって照度はB>G>Rとなってしまう。
1枚の画像を得るには画像の明るさを揃えるためにG,Rの明るさを増幅しなければならない。
つまり全体を高感度にするためにはG・R層はより高感度でなければならない→ノイズが出やすい・・・・となるのではないか? と思っていました。
フィルターによる減衰という意味では3板CCDと同じでしょうし、まあ素人考えなので、エンジニアの方々の意見を聞いてみたいです。
ちなみに35mmで75mm相当の固定マクロレンズを搭載したカメラがありますよね。
とても興味はあったのですが、手ブレ補正無しのライブビューカメラ(EVF無し)ということで、購入は見送りました。
老眼持ちですし、75mmの画角をライブビューポジションで操る自信がなかったからです。
(遠景の風景なら三脚使用でなんとかなるかもしれませんが、ピントが合ったのかどうかすら分かりにくいですからね)
固定レンズの方が画質が良い可能性はあるのですが、将来のEVF付きミラーレス化に期待しようと思っています。
by RAVEN (2013-02-06 16:58)
ヒトの網膜には、直径0.3mmほどの領域に3万個ほどの円錐細胞が集まった中心窩と呼ばれる場所があります。そこが色と空間の分解能が最も高いのですが、実は青を感じる円錐細胞はそこにはほとんどなく、赤が2/3で緑が1/3となっています。青の円錐細胞は中心窩の周囲にあるのですが、その数は円錐細胞全体の僅か2%です。要は、見えていると思っている青は、ほとんどが脳内で補間やつぎはぎされた結果な訳です。このようにヒトの視覚は補間だらけの怪しいものなので、カメラぐらいは補間の少ないシステムであってほしいと思い、個人的にはFoveonを応援しています。
既存ユーザーへのキャッシュバックですが、期間終了後に実売価格が下がると思いますので、キャッシュバックに該当しない場合はそれまで待つ方が賢明でしょうね。既存ユーザーにサービスするシグマの姿勢は、ユーザーを大切にしない携帯電話キャリアよりもずっと良いと感じます。
by hi-low (2013-02-06 18:21)
> kiyo さん
名指しで批判するのもどうかと思いまして(散々批判をしてきて今更と言われそうですが)。
まとめ買いが安いのはよくある話で、批判される言われは無いんですよね。
広い波長に反応することは、確かにカラーフィルター方式とは異なる性質です。
それによる色再現は利点であると同時に欠点でもあるわけですね。
圧倒的描写を得るのと引き換えに、不完全というリスクを伴うわけですか…。
Noktonの評価有難うございます。
やはり全距離に渡って精密なフォーカシングというのは、無理な相談ですね。
> RAVEN さん
エンジニアはえらくも何ともないので、ご自身に立場に遠慮は不要と思います。
(私も、自分の専門外なので独学によると…と前置きしなくてはいけません)
3板式は確かにフィルター(プリズム)があるもののRGBのバランスが極端に崩れることはないので、素性は良いと思います。
BGRの順で吸収することは、ご指摘の通り後から吸収する色が不利になりますが、それだけではありません。
テレセントリック性によるカラーシフトが発生して、それを補正しなくてはいけません。
二重にも三重にも不利な要因が存在していて、全てが重なった結果、Foveonの欠点として認知されている画質に至ったのではないでしょうか。
中望遠マクロレンズの購入と、50mmマクロレンズ固定機のどちらにするか、三脚前提等、割り切って使うのであれば後者でも良いと思ったのです。
中望遠マクロは間に合っていますが、50mmマクロレンズ固定機を新規導入すれば、カメラが軽いので機動力が良さそうです。
キャッシュバックの件を知ってしまうと、その割り切りが急にバカらしく思えてきて…。
> hi-low さん
パースもそうですが、脳内補間と撮影画像の差異は小さくないのですね。
補間のない画像としても、補間画像としても、画素の最も奥の層にある赤の感度の改善は急務と言えそうです。
サンプル画像を見る限り、ボケの質は不満ですが、解像等その他の画質全般はキャッシュバックがなくても十分お買い得と思えるものです。
シグマは過去にも既存ユーザー向けキャッシュバックを行っていて、今回は発売前に通知しているので、今思えば良心的と言えます。
by えがみ (2013-02-11 05:59)