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Canon 14mm F2.8 Fluorite の特許 [光学技術・レンズ設計]

キヤノン蛍石を使用した14mm F2.8(換算)の特許を出願中です。 望遠レンズだけでなく、マクロや広角レンズにも蛍石を積極的に使って高性能化を図ってほしいものですね。

Canon EF14mm F2.8L III USM

patent: 14mm(35mm equiv.) f/2.8 Fluorite

Canon EF17-35mm F2.8-4.0L USM

patent: 17-35mm(35mm equiv.) f/2.8-4

引用のみ

  • 特許公開番号 2013-37339
    • 公開日 2013.2.21
    • 出願日 2011.7.12
  • 実施例1
    • ズーム比 1.00
    • 焦点距離 f=1.00mm
    • Fno. 2.90
    • 半画角 ω=56.66°
    • 像高 Y=1.52mm
    • レンズ全長 9.51mm
    • BF 2.82mm
    • 非球面 第6面、第25面
    • 正正
  • 実施例3
    • ズーム比 2.06
    • 焦点距離 f=1.00 - 2.06mm
    • Fno. 2.79 - 4.00
    • 半画角 ω=51.27 - 32.82°
    • 像高 Y=1.25 - 1.33mm
    • レンズ全長 8.79 - 8.55mm
    • BF 2.41 - 3.46mm
    • 非球面 第1面、第5面、第26面
    • 負正負正
  • 実施例6
    • ズーム比 1.00
    • 焦点距離 f=1.00mm
    • Fno. 2.90
    • 半画角 ω=87.35°
    • 像高 Y=21.60mm
    • レンズ全長 9.51mm
    • BF 2.82mm
    • 非球面 第6面、第25面
    • 正正

数値がおかしい!

誰かさんが、光学メーカーの特許を日々紹介し続けるなんて余計な真似するから…。

というわけで、実施例1は14.2倍にスケールアップしましょう。 実施例2と3は大体同じなので、3の方を紹介します。 実施例3は単純に17.0倍としましたが、像高が変化しているので、広角側は最近のコンデジ同様にソフト処理で引き伸ばすタイプかもしれません。 換算16-35mmになるEOS-M用のレンズというのも面白そうですね。 実施例4と5はプロジェクタ用レンズなので省きます。 実施例6なんてもう滅茶苦茶【追記】魚眼ではない超広角レンズで、フルサイズでf=1mmというとんでもないスペック。

光学設計ソフトを使えばおそらく簡単にシミュレート出来る筈で、全長6.69mmの中に14枚ものレンズを詰め込むことも可能です。 特許の請求項は相対値で規定し、スケールアップによって撮像素子の大きさが異なる場合にも対応可能とでも書いておけば、他社の特許抵触等にも柔軟に対応出来ますから。

都合の良い自己解釈

  • 実施例1
    • 焦点距離 f=14.20mm
    • Fno. 2.90
    • 半画角 ω=56.66°
    • 像高 Y=21.6mm
    • レンズ全長 135mm
    • BF 40mm
    • レンズ構成 11群14枚
    • 正正
    • 非球面 2面2枚
    • UDガラス 3枚
    • 蛍石 1枚
  • 実施例3
    • ズーム比 2.06
    • 焦点距離 f=17.00 - 35.02mm
    • Fno. 2.79 - 4.00
    • 半画角 ω=51.27 - 32.82°
    • 像高 Y=21.25 - 22.61mm
    • レンズ全長 149.43 - 145.35mm
    • BF 40.97 - 58.82mm
    • レンズ構成 10群15枚
    • 負正負正
    • 非球面 3面3枚
    • UDガラス 2枚

フルサイズ用の14mm F2.8と、17-35mm(16-35mm) F2.8-4になって、見慣れた数値になりました。 ところでEDガラスが何枚、蛍石が何枚といつもBlog記事に書いていますが、私が勝手に補足しているだけです。 70-200mm F2.8は例外で蛍石を使用と文献中に明記してありますが、大抵はそのような記述はありません。

性能

performance
実施例1 実施例3 Wide 実施例3 Tele
Canon EF14mm F2.8L III USM Canon EF17-35mm F2.8-4.0L USM Canon EF17-35mm F2.8-4.0L USM

左から、球面収差、非点収差、歪曲、倍率色収差。

性能が一桁違いますが、スケールアップすると収差も拡大されるので、要注意です。 それを踏まえても倍率色収差や軸上色収差は補正に拘っているだけあって、かなり高性能ですね。 14mm F2.8は今時の広角レンズにしては歪曲が-1.3%とかなり少ないようです。

レンズで重要なのは、結果としての性能であって、使われた硝材の種類ではありません。 硝材の配置の最適化や鏡筒の強化によって高性能化を図っても良いのです。 が、良い硝材による高性能化もまた事実。

超広角レンズに蛍石を使った例としては、正確には蛍石ではありませんが、シグマ8-16mm/12-24mmがあります。 そのレンズを見れば分かるように、蛍石に相当する硝材は、効果てき面です(もしかすると屈折率等の最適化がうまく行われただけかもしれません)。 蛍石は万能ではありませんが、バランスを考えた上で幅広いレンズに採用してほしいものですね。

EF14mm F2.8L II USM のリニューアル

85mm F1.250mm F1.2等、最近のキヤノンの特許には大変魅力的なものが多いですが、時期的にCN-E用と考える方が良いかもしれません。 14mm F2.8CN-E14mm T3.1 L Fが相当します。 蛍石を使用と書かれていないのは、業務用だから硝材でアピールする必要が無い為か、或いは本当に使っておらず、以前に出願のあった14mm F2.8や更に別の設計が使われているのかもしれません。

ツァイスは同じ設計のレンズを、業務(シネマ)用のCP.2と民生(スチル)用のZF.2/ZEの二系統でラインナップしているので、キヤノンも同じことをすれば、単焦点Lレンズの総リニューアルも可能かもしれません。 またツァイスDistagon 55/1.4の発売を予定していますが、予算に余裕のある方はCN-Eレンズという選択肢もあるでしょう。 しかしCN-Eの対応解像度は4Kとあり、スチル用としてもどこまで対応可能か分からないので、機会があれば使って確認してみたいものです。


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Bolake

実施例6の焦点距離は1.00mm、しかし像高が21.6mmに達する ちょっとおかしいかな。
by Bolake (2013-02-25 19:50) 

hi-low

キヤノンは光学系特許の実施例をスケーリングさせることにしたのかもしれませんね。今回の申請は光学設計のパラメーター設定に関するものなので、実施例が製品である必要はないのでしょう。
実施例6の半画角87.35°のタンジェントは21.6なので、数値は正しいですね。魚眼ではない画角175°の画像はぜひ見たいです。
by hi-low (2013-02-26 09:07) 

えがみ

> Bolake さん
有難うございます、hi-lowさんにご指摘頂きましたが、魚眼ではない広角レンズでこの画角ならば、計算上は1mmになります。


> hi-low さん
ご指摘有難うございます。記事は追記させて頂きました。
仰る通り数値上は合っていますね。

このレンズで撮れば、パースの影響で違和感も相当なものになりそうです。

by えがみ (2013-02-27 22:52) 

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