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Canon 500mm F5.6 DOEの特許 [光学技術・レンズ設計]

キヤノン500mm F5.6と、600mm F4800mm F5.6500mm F4特許を出願中です。 回折光学素子(以下、DOE)と非球面を効果的に使用し軽量化を図ったようです。

Canon EF600mm F4L DO IS USM

patent embodiment1: 600mm f/4

Canon EF800mm F5.6L DO IS USM

patent embodiment2: 800mm f/5.6

Canon EF500mm F4L DO IS USM

patent embodiment3: 500mm f/4

Canon EF500mm F5.6L DO IS USM

patent embodiment4: 500mm f/5.6

特許文献の説明・自己解釈

  • 特許公開番号 2013-92575
    • 公開日 2013.5.16
    • 出願日 2011.10.24
  • 実施例
    embodiment
    No. 焦点距離 [mm] Fno. 半画角 [°] 全長 [mm] BF [mm] 前玉径 [mm] レンズ構成 非球面 蛍石
    1 584.99 4.12 2.12 420.00 89.03 141.99 11群16枚 2面2枚 1
    2 779.99 5.80 1.59 460.00 97.84 134.48 11群16枚 2面2枚 1
    3 488.99 4.11 2.53 320.00 61.00 119.00 11群16枚 2面2枚 2
    4 488.99 5.70 2.53 280.01 65.01 85.79 12群17枚 1面1枚 1
    5 584.96 4.12 2.12 420.00 88.88 141.98 12群16枚 2面2枚 1
    6 584.97 4.12 2.12 419.89 82.96 141.98 11群17枚 2面2枚 1
    7 584.99 4.12 2.12 420.00 88.15 141.99 11群17枚 2面2枚 1
    8 585.00 4.12 2.12 420.00 79.33 141.99 11群16枚 2面2枚 1
    9 488.99 5.70 2.53 280.00 65.01 85.79 12群17枚 1面1枚 4
    10 584.99 4.12 2.12 420.00 88.78 141.99 12群17枚 2面2枚 1

    像高 21.64mm

  • 大口径超望遠レンズを小型化する方法
    • 第1群の有効径が一番大きい
    • 第1群の枚数を減らす
      • 枚数を増やして収差を軽減する必要がある
      • 枚数を減らすと収差を軽減出来ない
    • 第1群の屈折力を強める
      • レンズの厚みが増し、軽量化の効果が相殺される
      • 高い屈折率は製造誤差の影響が大きい
  • キヤノンの特許
    • 第1群に非球面を採用
    • 第1群を異符号成分で構成し、厚みの増大を防ぎ、また敏感度の分散を行う
    • DOEを設け、少ないレンズ枚数で色収差を補正
    • インナーフォーカス
    • 手ぶれ補正

性能

performance
600mm F4 800mm F5.6 500mm F4 500mm F5.6
Canon EF600mm F4L DO IS USM Canon EF800mm F5.6L DO IS USM Canon EF500mm F4L DO IS USM Canon EF500mm F5.6L DO IS USM

左から、球面収差、非点収差、歪曲、倍率色収差。

言わずもがなですが、抜群に良いですね。 歪曲と倍率色収差はいずれも完璧と言えます。 記事タイトルの500mm F5.6は非点収差のメリジオナルが周辺で少々低いのが難点です。

500mm F5.6

当Blogの読者なら、キヤノンが超望遠レンズに関する特許出願を過去に何度も行っていることはご存知でしょう。 DOEは勿論のこと、第1群に非球面を使う特許の申請がしばらく前にあったことは記憶に新しいかと思います。 似た特許を何度も紹介するのは忍びなく、当Blogではネタが無い時と新しい発見があった時だけに留めています。

今回は、500mm F5.6ですね。 私が見逃していただけかもしれませんが、ちょっと珍しい。

ペンタックスもHD DA560mm F5.6 ED AWを発売したことですし、撮像素子の高感度性能が上がった今なら、F5.6は決して使い難くはありません。 何よりも、F5.6なら小型化の恩恵が大きいです。 上の表から分かるように、殆どの実施例では前玉が140mm程度あり、しかもこれ非球面で構成するつもりらしいです。 重いのは勿論のこと、非球面の製造も困難でしょう。

しかし500mm F5.6なら前玉径が85.79mmですから、簡単ではないものの、幾らか現実味が出てきましたね。


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コメント 2

hi-low

この申請レンズにあるようなDOE素子の配置はフレア等の問題から適切ではないと、キヤノン自身が特許申請(2012-123152)で指摘しています。特許の構成には支障ないのでしょうが、自分(達)の結論を無視するのはどうかと感じます。基礎研究でそんなことをすると、研究者としての信用を失いますので…。

DOEは望遠だけなく中望遠マクロでも小型化に有効と思えるのですが、需要がないですかね。
by hi-low (2013-05-17 13:00) 

えがみ

そうなんです。私もそれは疑問に思いました。
光学系全体での最適化を模索したところ、特開2013-92575がベストと判断するに至ったということなのかもしれませんが、真意は分かりかねます。

望遠以下の焦点距離における回折光学素子の採用は是非ともやってほしいですよね。
異常分散ガラス等の硝材を湯水の様に使って性能を出しているメーカーもありますが、重くなり過ぎです。

by えがみ (2013-05-19 01:21) 

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