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Nikon 60mm F1.2 の特許 [光学技術・レンズ設計]

ニコン50mm60mm F1.2特許を出願中です。 関連特許は多数出願されていますが、今回はフレアやゴーストを軽減する最適化を行ったようです。

AF-S Noct-Nikkor 50mm F1.2G

patent embodiment1: 50mm f/1.2

AF-S Noct-Nikkor 60mm F1.2G

patent embodiment3: 60mm f/1.2

特許文献の説明・自己解釈

  • 特許公開番号 2013-145337
    • 公開日 2013.7.25
    • 出願日 2012.1.16
  • 実施例1
    • 焦点距離 f=51.6
    • Fno. 1.21
    • 半画角 ω=23.25°
    • 像高 Y=21.6mm
    • 全長 92.60mm
    • レンズ厚み 54.30mm
    • BF=38.30mm
    • レンズ構成 6群7枚
  • 実施例3
    • 焦点距離 f=60.90
    • Fno. 1.21
    • 半画角 ω=19.81°
    • 像高 Y=21.6mm
    • 全長 92.0997mm
    • レンズ厚み 53.8000mm
    • BF=38.2997mm
    • レンズ構成 6群7枚
  • ニコンの特許
    • 正負負正
    • ウェットプロセスを用いた反射防止幕
      • 多膜層の内、最も表面側
      • 屈折率 n<=1.30
      • 絞りの前後にある凹面や、その他適切な位置に適用する
      • フレアやゴーストを軽減
    • 高屈折率低分散レンズを用いる
      • 非球面や回折光学素子を使わずにサジタルコマ収差、軸上色収差、倍率色収差、像面湾曲を補正

ノクトニッコールは必ず再来する

断定は出来ませんよ?

Noct-Nikkorの特許出願履歴
Date Action Object Remarks
2007.8 出願 50mm F1.4 特開2009-058651
2008.2 出願 50mm F1.4 特開2009-192996
2008.7 出願 50mm F1.4、50mm F1.2 特開2010-14895、2010-014897、2010-072359
2008.9 発表 AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G
2008.12 発売 AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G
2009.11 出願 50mm F1.2、50mm F1.4 特開2011-113052
2011.4 出願 50mm F1.260mm F1.2 特開2012-220754
2011.4 出願 58mm F1.2 特開2012-230340、2012-230133
2011.6 出願 58mm F1.2 特開2013-11831
2011.7 出願 58mm F1.2、58mm F1.4 特開2013-19992、2013-19993、2013-19994
2012.1 出願 50mm F1.260mm F1.2 特開2013-145337

先日発売されたAF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VRもそうですが、ニコンは高級レンズの開発に数年を費やします。 勿論それは妥協したくない部分があるからで、単なる収差低減に留まらず、ボケ味を含む総合画質や、生産性、AF速度、重量バランスまで及ぶのでしょう。

企画や光学設計者のエゴで性能は良いけど重いレンズにしてしまったら、ユーザー泣かせになりますし、また生産性の悪いレンズなら工場泣かせになります。 開発期間は数年でも、この手のレンズは10年間に渡って発売され続け、ユーザーが使うのは数十年に及ぶかもしれません。 性能のバランス次第では、基本的な光学設計すらも見直さなければなりませんね。 具体的に何に拘ったかは、後日の開発者インタビュー等で明らかになる筈です。

ニコンの特許

今回紹介する特許申請では、フレアとゴーストの軽減に拘ったようで、 従来よりも反射率が大幅に改善しています。 但しこの“従来”というのはいつの技術なのか不明です。

coating
特許技術 従来技術
AF-S Noct-Nikkor 50mm F1.2G AF-S Noct-Nikkor 50mm F1.2G

横軸は波長(nm)、縦軸は反射率(%)

過去の特許申請を見ると、50mm(51.6mm)58mm60mmの三案があるようです。 最終的なスペックは最適化の度合いによって決まり、ニコンですら三案の内、いずれかにするか分からないのでしょう。

performance
50mm 60mm
AF-S Noct-Nikkor 50mm F1.2G AF-S Noct-Nikkor 60mm F1.2G

左から順に、球面収差、非点収差、歪曲、コマ収差、下は倍率色収差。

ガウスタイプは対称型とはいえ、一眼レフの50mmだと後群の屈折率を強めてバックフォーカスを稼がなくてはならず、完全な対称型とは言えなくなってしまいます。 少しでも長い方が、像面湾曲等を補正し易いのかもしれませんね。

三案のどれであろうとも、F1.2は楽しみなレンズです。


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コメント 5

しばちゃん2cv

いつもnice コメントありがとうございます
by しばちゃん2cv (2013-07-26 22:29) 

hi-low

フレアが抑制されると、星などの光っている被写体の撮影で実分解能が向上します。電源なしでも使える仕様で製品化してほしいのですね。
by hi-low (2013-07-27 09:45) 

えがみ

> hi-low さん
フレアが原因で解像が落ちているように感じるケースもあるかと思います。
今後は基本的な光学設計のみならず、フレアやAFの精度、レンズの位置ズレの方が重要になってくるのかもしれません。

by えがみ (2013-07-28 01:02) 

MDISATOH

えがみさん真夜ですみません。爺は天体撮影用にF1.2のレンズ欲しいですが、ニコンFマウントだとマウント径が小さい為にAFはかなり厳しいだろうと想います。電磁絞り採用のEタイプにすると、対応ボディーが限られて仕舞います。
然し、ニコンのコーティング技術は素晴らしいので是非製品化して
欲しいですね!
by MDISATOH (2013-07-28 02:16) 

えがみ

> MDISATOH さん
PC-Eレンズは既に発売されていて、ノクトもPC-E以上の価格になると思います。
それだけの金額を出せるユーザーは、対応ボディ(D3/D300以降)も所持しているのでは、と思います。

by えがみ (2013-07-30 00:33) 

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