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Sony 10-36mm F1.8-2.8(1")の特許 [光学技術・レンズ設計]

ソニー10-36mm F1.8-2.8特許を出願中です。 1"の撮像素子に対応する換算28-100mm相当のズームレンズです。 同等のズーム域を持つRX100/RX100M2はF値がF1.8-4.9だったので、テレ側が明るくなるのは大歓迎ですね。

【追記】後日、スペックの近い8.8-25.7mm F1.8-2.8を搭載するRX100 IIIが発表されました。

Sony 10-36mm F1.8-2.8 OSS

embodiment3: 10-36mm f/1.8-2.8 OSS (1")

特許文献の説明・自己解釈

  • 特許公開番号 2014-66944、2014-66945、2014-66946
    • 公開日 2014.4.17
    • 出願日 2012.9.27
  • 実施例
    embodiment
    実施例 焦点距離 Fno. 半画角 Mod(通常) Mod(マクロ) レンズ構成 非球面
    1 9.58-19.82-41.00 1.87-2.49-3.30 41.41-21.75-10.56 50-200-800 40-150-300 10群12枚 10面5枚
    2 9.58-19.82-41.00 1.87-2.27-3.01 41.42-21.79-10.57 50-200-800 40-150-300 10群12枚 10面5枚
    3 9.58-18.55-35.91 1.87-2.23-2.89 41.25-23.00-11.95 50-200-800 40-150-250 10群12枚 10面5枚
    4 9.60-23.40-57.02 2.04-2.57-3.67 41.44-18.46- 7.55 70-250-850 35-200-400 9 群12枚 10面5枚
    5 9.58-19.82-41.00 1.87-2.28-3.00 41.42-21.78-10.57 50-200-800 40-150-300 10群12枚 10面5枚
  • ソニーの特許
    • 正負正負正の5群ズーム
    • 特開2014-66944
      • マクロモードを備える
      • 第4群と第5群が光軸方向に独立駆動し、マクロモードへの切替を行う
      • インナーフォーカス
      • 通常時は第3群、マクロ時は第4群がフォーカス群として使われる
    • 特開2014-66945
      • リアフォーカス
      • 第4群と第5群がフォーカス群
    • 特開2014-66946
      • インナーフォーカス
      • 防振

小さな撮像素子のメリット

コンデジのメリットの1つに寄れることが挙げられます。 高価で手間のかかるマクロレンズ不要で、画質はともかく気軽にクローズアップ写真を得られるのは、無視出来ない要素ではないでしょうか。 何故寄れるのかというと、焦点距離が短いと少ない繰り出し量で済むので、マクロの為に鏡筒を肥大化させる必要がないからです。 最近は撮像素子が大型化する傾向にありますが、それは今まで得られていたマクロ機能を失うということ。

最短撮影距離は、焦点距離と画角のどちらで決めて設計するのでしょうか。 前者であれば撮像素子が小さくなるにつれてより寄れるメリットがありますが、小型撮像素子用レンズには後者で決めたか、間を取ったと思われるレンズもありますね。 後者はレンズの繰り出し量が減り、その分の空間的余裕を小型化や高性能化に振れるメリットがあるのですが、フルサイズ並に寄れないデメリットを生んでしまいますね。 撮像素子の小さなミラーレスでフルサイズ用レンズを使うと相対的に寄れるようになるので、マクロレンズでなくても、簡易マクロとして使ってしまいます。

ソニーは今回3種類の特許申請を行っていますが、光学系は概ね同じです。 大体どの実施例も10群12枚のレンズ構成で、また10面5枚つまり両面非球面を5枚も使った豪華な設計のようです。 1つ目の特許申請はマクロモードを備えた構成、2つ目はマクロ域の高性能化、3つ目は手振れ補正を考慮した構成です。 特開2014-66944では、通常モードでは広角側で50~70mm、望遠側で800~850mm、マクロモードでは広角側で35~40mm、望遠側で250~400mmの最短撮影距離を得られるので、今までのメジャーなコンデジと同じようにマクロ撮影することが出来そうですね。

performance
Wide Tele
Inf Sony 10-36mm F1.8-2.8 OSS Sony 10-36mm F1.8-2.8 OSS
Mod Sony 10-36mm F1.8-2.8 OSS Sony 10-36mm F1.8-2.8 OSS

左から順に球面収差、非点収差、歪曲。


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コメント 7

starwars

最近はメモ代わりに撮影することもあるので、
コンデジのマクロ機能は重要です。
by starwars (2014-04-19 08:30) 

hi-low

マクロモードが魅力的ですが、収差を見ると電子補正前提の設計ですね。
個人的には、単焦点マクロレンズを搭載したRX100のバリエーションが欲しいです。
by hi-low (2014-04-19 23:36) 

えがみ

> starwars さん
センサーが大きいと被写界深度が狭過ぎる問題もあるので、実はコンデジってかなり便利なんですよね。


> hi-low さん
RX100は明るさ、ズームと欲張ってあの大きさですから仕方がないですよね。
私も1インチ+レンズ固定式+単焦点なら良いカメラに仕上がると思います。
by えがみ (2014-04-26 02:22) 

akabe

揚げ足を取ることになりますが、画角から計算しますと
半画角 41.25-23.00-11.95 度が
24.67-50.96-102.22 ミリになり、レンズ係数が
2.57-2.75-2.85 倍になります。
つまり換算 24.67-102.22mm f/4.8-8.2 のレンズになります。
by akabe (2014-04-29 19:22) 

hi-low

> えがみ さん
> akabe さん

akabe さんのご指摘は、「被写界深度の目安」としての換算だと思います。しかし、撮影画角はセンサーサイズで変化しますが、F値はセンサーサイズに依存しないレンズ固有の値ですので、換算しないほうが良いと思います。
また、F値は露出条件の決定に直接影響しますので、換算F値を見て、速いシャッタ速度が使えないと誤解を受けるかもしれません。
by hi-low (2014-04-30 08:43) 

akabe

hi-low さま

焦点距離もレンズの固有値ですね。焦点距離もF値も写真の結果と直結しない固有値です。ですから換算が必要になります。

まずF値とは何かを理解しなければならないと思います。F値はあくまで単位面積の露出計算のための便利な近似値(広角になるにつれて誤差が大きくなります)、ISO感度と同じそのままでは写真の結果を説明できません(同じISO感度でも画質が違いますから)。

次に換算の意味を理解していただきたいのですが、あくまで結果論、同じ結果になるための換算です。換算F値を使って撮った写真は絞りの制御を受ける全ての結果は一つ漏れず全て同じになります(逆に一つでも違う結果がありましたら教えいただきたいです)。

写真に関して色んな誤解がありますが、その多くは写真とは何かを理解していれば簡単に解ける問題だと思います。つまり写真は構図です(精確では立体角)。焦点距離やF値の換算も構図の視点で構図ベースの換算になります。

また、余談ですが、F値の中に焦点距離が含まれています。F値も同じ換算しないと苦しい説明が必要になりそうです(物理的には不可能ですが)。

えがみさまのブログですので、一回の説明をお許しください。
by akabe (2014-04-30 19:40) 

えがみ

GWの前半は仕事だったんですが、その分の休みをGW後に付けて、仕事が終わった後に直ぐ外出しました。
更新が遅れてすみません。

> akabe さん
> hi-low さん
ご指摘誠にありがとうございます。
読者層を考慮し、1インチの撮像素子を前提としました。

因みに私は昔、特許情報からニコンのミラーレスは換算2.5倍(1インチより僅かに大きい)くらいのセンサーサイズを採用すると推測していました。

by えがみ (2014-05-10 21:11) 

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