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Canon 反射防止膜を付けた多層センサーの特許 [半導体・エレクトロニクス技術]

キヤノンが反射防止膜を付けた多層センサー特許を出願中です。 Foveon特有のフレアやゴーストが軽減されるのは素晴らしいですね。

A three layer image sensor for preventing reflection by an insulator film

A three layer image sensor for preventing reflection by an insulator film

特許文献の説明・自己解釈

  • 特許公開番号 2014-130890
    • 公開日 2014.7.10
    • 出願日 2012.12.28
  • 多層センサーの欠点
    • G光が、B層とG層の間の面で反射し、B層に再入射し画質が劣化する
  • キヤノンの特許
    • 反射防止膜として絶縁体膜や誘電体膜を設ける
    • 絶縁体膜、B層、誘電体膜、絶縁膜、誘電体膜、G層、誘電体膜、絶縁膜、絶縁膜、誘電体膜、R層の順
    • 誘電体膜の膜厚を大きくして、多重反射を抑制
    • B層とG層の間にある誘電体膜は、BよりもGに対する反射率が低い

サッポロポテト・ゴーストとは

シグマ自身が解説しているようです。 どうやらレンズのコーティングや鏡筒等の内面反射が原因ではなく、センサー起因のようですね。

太陽光などの強い光源を直接画面に入れて撮影すると、下記のようなフレアやゴーストが発生する場合があります。 逆光での撮影時のご注意

キヤノンの特許

キヤノンの特許申請は、反射防止膜をRGBの各層間に設けて、三層センサーの逆光性能を向上させることのようです。 この三層センサーのベースはFoveonですが、各社も周辺特許を着実に固めていますね。

反射防止膜の反射率
BG間 GR間
2014_130890_fig03b.png 2014_130890_fig03c.png

横軸は波長、縦軸は反射軸

ところで欠点のない理想的な反射防止膜は存在しないので、この特許も何らかの形で入射光へ影響を与えているのでしょう。 反射率のデータがあるので計算出来ますね。

  • Log2(0.95)≒-0.074EV
  • Log2(0.95*0.95)≒-0.15EV

約5%なのでG光の減衰は0.1EV未満、R光の減衰は0.1EV程度です。 この位なら問題ないでしょう。

シングル・コーティングとマルチ・コーティング

嘘か誠か、マルチコーティングよりシングルコーティングの方が、ヌケが良いという話を聞いたことがあります。 モノクロ写真はシングルコーティングで十分というだけではなく、シングルコーティングの方が階調が良いという噂でした。 その頃の私は目が肥えていなかったので、真相は分からず仕舞いでした。 反射防止膜は本来必要とする光を減衰させてしまうこともあるので、有り得る話かもしれませんね。 検証せずに推測で言いますが、コーティングだけが異なる同じレンズを調達しなければいけないので、大変なことなのです。

ビアガーデン問題

Quattroが発売されて以来、ビアガーデン問題をよく耳にします。 統計を取ったわけではありませんが、Blogや掲示板等の書き込み数に比較して、検証した画像があまりアップされていないのは、推測での発言が多いからでしょうか。 前のパラグラフを免罪符代わりに、私も推測で発言します。

2014_130890_fig03c.png

Quattroの分光感度特性はまた違うのかもしれません

ビアガーデン問題は、バグであるか1:1:4から4:4:4に復元するアルゴリズムに欠陥があるのではないでしょうか。 理由は2つあります。

1つ目は、Foveonの特許にある分光感度曲線によると、シアンとイエローの分光感度に差があること。 TMBの3層と考えるから話がややこしいのであって、BGRの3層と考えるべきではないでしょうか。 QuattroはTop層、Middle層、Bottom層と説明されています。 しかしFoveonセンサーは、RGBの吸収係数がシリコンの深さによって異なることを利用したものなので、その構造を変えずに輝度を吸収するTop層を作ってしまったら、その下層は赤外線層になる筈です。 それともシグマは、富士フイルムの特許のように、Top層に有機膜を設けてG光のみを光電変換しているのでしょうか。

2つ目は、Quattroのカラー画像とモノクロB100%画像の解像に差があるからです。 シアンとイエローの分光感度の差が、モノクロB100%画像に現れたのではないでしょうか。 おそらくシグマは、人肌を好ましいものにする為に、Quattroではコントラストを弱めにしているのでしょう。 コントラストを強調すれば、Merrillと遜色ない解像を得られるかもしれませんね。

画像を無断で拝借し、モノクロB100%のコントラストを強調しました
Merrill Quattro B100% B100% 輝度差強調
20140714_Mex.jpg 20140714_Qex.jpg 20140714_Qex_B100.jpg 20140714_Qex_B100_A.jpg

ビアガーデン問題は分光感度に比較的差のある条件ですから良いでしょう。 Bの分光感度が、急な勾配から緩やかな勾配に切り替わった部分の色解像が気になりますね。 画像の右下にある赤の階調はどうでしょうか。

赤の階調
Merrill Quattro B100% B100% 輝度差強調
20140714_Red_Mex.jpg 20140714_Red_Qex.jpg 20140714_Red_Qex_B100.jpg 20140714_Red_Qex_B100_A.jpg

輝度差を強調しても、手前から4本目と5本目の間(トリミングしていない元画像では7本目と8本目の間)が区別出来ていない気がしますね。 しかしQuattroの画像を見る限りでは、低感度でもザラザラノイズや色ムラが目立つものの、ピクセル解像に限定すればどのBayer機よりも勝っている気がしますし、Merrillと比較すべきカメラではないのでしょう(【一部追記】)。 色を含めた総合力ではMerrillよりQuattroの方が優位にあると思うので、今後も革新的な技術を期待したいものですね。


タグ:Canon GHOST FOVEON
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hi-low

シングルコーティングでは単一波長にしか効果がありませんので、カラー画像でマルチコーティングよりも優れていることはないでしょう。
モノクロはフィルムによって分光感度特性が違いましたので、感度がピークになる波長での性能がシングルコーティングの方が良ければ、仰るような結果になる可能性はありますね。

FoveonセンサーのRAWデータはMerrillでは3層構造ですが、上層から単純にBGRへと対応できるものではありませんでした。
http://hi-lows-note.blog.so-net.ne.jp/2014-02-06
シリコン層の垂直方向色分離は、原色よりも補色フィルターによる色分離が近いと思います。
Quattroセンサーは、色の推定だけでなく輝度の推定も必要なので、当分は画像生成アルゴリズムの改良が続くでしょう。
by hi-low (2014-07-14 18:04) 

akabe

性能よりもカラーフィルターもいらない、ローパスフィルターもいらないと徹底的にコストダウンできるのが魅力だと思いましたが・・・
by akabe (2014-07-14 23:20) 

えがみ

> hi-low さん
そうですね。フィルムの種類だけでなく、硝材の分光透過率によっても違いがありそうです。
オールマイティに使えるのはマルチコーティングですね。

情報有り難うございます。
FoveonはBの再現性であれば良さそうですが、GRはかなり厳しそうですね。


> akabe さん
BayerとFoveonの原価を知りたいものですね。
キヤノンの特許申請にある技術を組み込みと値段が上がりそうです。

by えがみ (2014-07-15 20:15) 

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CanonのFVEONタイプ特許とビアガーデン問題の解説記事(エンジニアの嗜み)(YOUのデジタルマニアックス 2014-07-14 19:22)

エンジニアの嗜み様に、キヤノンが提出したFOVEONタイプイメージセンサーのフレア/ゴースト対策に関する特許の解説記事がアップされています。

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